ミラノ発 〓 スカラ座もゲルギエフを解任、《スペードの女王》の指揮は27歳のティムール・ザンギエフに交代

2022/03/03

ミラノ・スカラ座が2日、新制作のチャイコフスキー《スペードの女王》の指揮者交代を発表した。初日の2月23日の公演をロシアの指揮者ワレリー・ゲルギエフが指揮したが、翌24日にロシアのウクライナ侵略が始まったことで、ミラノのジュゼッペ・サーラ市長がゲルギエフに対して非難声明をすぐに出すように要求していた。

現地のメディアによると、劇場のドミニク・マイヤー総裁と合意の上で、サーラ市長から行動に移さない場合は解任するという手紙がゲルギエフに送られたという。しかし、マイヤー総裁は「手紙に対するゲルギエフからの返答はありません」と述べており、解任されることになった。

代役として、5日の公演から指揮台に立つのはロシア・北オセチア共和国生まれの27歳、ティムール・ザンギエフ。7歳の若さで首都ウラジカフカスをウラジカフカス交響楽団を指揮。長じてモスクワ音楽院でゲンナジー・ロジェストヴェンスキーに指揮を学んだ。卒業後、モスクワのスタニスラフスキー&ネミロヴィチ・ダンチェンコ劇場のスタッフ指揮者を務めている。既にリハーサルを重ねているという。

新制作の《スペードの女王》はリーザにアスミク・グリゴリアン、ポリーナにエレーナ・マクシモワ、エレツキー公爵にアレクセイ・マルコフ、ゲルマンにナジミディン・マヴリャーノフ、伯爵夫人にユリア・ゲルセワを起用。マティウス・ハルトマンが演出を手掛けている。

写真:Malko Competition


関連記事

  1. デンバー発 〓 コロラド響の首席指揮者にピーター・ウンジャン

  2. 東京発 〓 東京交響楽団が先陣切って公演再開へ

  3. ウィーン発 〓 ウィーン・フィルが2025年元旦の「ニューイヤー・コンサート」のプログラムを発表

  4. 東京発 〓 東フィルが2024シーズンのラインナップを発表

  5. ドレスデン発 〓 名指揮者ケンペの遺品が古巣のザクセン州立歌劇場へ

  6. ロンドン発 〓 ソンドラ・ラドヴァノフスキーがロイヤル・オペラの日本ツアーへの出演をキャンセル

  7. ドレスデン発 〓 空席だった聖母教会オルガン奏者に27歳のニクラス・ヤーン

  8. ロンドン発 〓 マリン・オールソップがフィルハーモニア管の首席客演指揮者に

  9. インスブルック発 〓 古楽音楽祭が新体制、音楽監督にオッタヴィオ・ダントーネ、アカデミア・ビザンチナがレジデンス・オーケストラに

  10. ミラノ発 〓 ウクライナ領事、スカラ座に《ボリス・ゴドノフ》の上演取り止めを要請

  11. ブラティスラバ発 〓 スロヴァキア放送響激震、レナルトが復帰

  12. ワルシャワ発 〓 ポーランドもロックダウンへ

  13. 訃報 〓 ハンス・ツェンダー(82)ドイツの指揮者、作曲家

  14. バーミンガム発 〓 ラトルがバーミンガム市響の100周年コンサートを指揮

  15. プラハ発 〓 チェコ・フィルのコンサートマスターにヤン・フィッシャー、オルガ・シュロウブコバの後任

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。