訃報 〓 アガ・ミコライ(51)ポーランドのソプラノ歌手

2021/11/12
【最終更新日】2023/02/06

ポーランドのソプラノ歌手アガ・ミコライ(Aga Mikolaj)が11月11日に亡くなった。新型コロナに感染、その合併症で亡くなったという。51歳だった。オペラ界の第一線で活躍、これからが期待されていた。新国立劇場への出演も多い。

ポーランド北部クトノ生まれ。ポズナンの音楽アカデミーで学んだ後、ウィーン国立音楽演劇大学に留学。レナータ・スコット、エリーザベト・シュヴァルツコップらの下でも研鑽を積んだ。

その後、ポズナンのスタニスワフ・モニューシュコ大劇場に所属(1995-2002)。1999年にはスペインの「アルフレード・クラウス国際声楽コンクール」で第2位を授賞している。2002年にはミュンヘンのバイエルン州立オペラに移籍、2007年まで専属歌手として活動した。

その間、徐々に国際的な舞台での活動が増え、ウィーン国立歌劇場やミラノ・スカラ座など、世界の主要な歌劇場への出演。《フィガロの結婚》の伯爵夫人、《ドン・ジョヴァンニ》のドンナ・アンナとドンナ・エルヴィーラ、《コジ・ファン・トゥッテ》のフィオルディリージなど、モーツァルト作品の諸役を得意としてきた。

2006年にはニューヨークでデビュー。2012年にはベルリン州立歌劇場とスカラ座が共同制作したワーグナー《ニーベルングの指環》で、ダニエル・バレンボイムによってヴォークリンデに起用されている。

日本でも2008年、ドンナ・エルヴィーラを歌って初めて新国立劇場に出演。その後、2014年にドンナ・アンナ、2015年に《ファルスタッフ》フォード夫人と出演を重ねていた。読売日本交響楽団にも客演している。

写真:staatstheater hannover / Monika Warneke





関連記事

  1. ナッシュビル発 〓 ナッシュビル響が来シーズンをキャンセル

  2. ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場がゲルブ総裁との契約を延長

  3. ウィーン発 〓 「ヘルムート・ドイチュ国際歌曲コンクール」でテノールの尼子広志が優勝

  4. ハンブルク発 〓 州立オペラが2023/2024シーズンの公演ラインナップを発表、開幕は新制作の《ボリス・ゴドノフ》

  5. パリ発 〓 医療従事者の写真をバスティーユ歌劇場の壁面に、パリ国立オペラ

  6. 高雄発 〓 台湾最大の総合芸術センターがオープン

  7. ウィーン発 〓 2021年の「ニューイヤー・コンサート」の指揮者はムーティ

  8. ローマ発 〓 イタリアの劇場は8日まで閉鎖、新型コロナウイルスの感染拡大で

  9. 上海発 〓 第3回「上海アイザック・スターン国際ヴァイオリン・コンクール」がセミ・ファイナリスト13人を発表

  10. トリノ発 〓 テアトロ・レッジョの大規模改修工事スタート、2022年9月まで閉館

  11. ハノーファー発 〓 州立劇場の次期音楽総監督にステファン・ジリアス

  12. ベルリン発 〓 第2ヴァイオリンの首席にマレーネ・イトウ、ベルリン・フィル

  13. フィレンツェ発 〓 フィレンツェ5月音楽祭の新しい音楽監督にダニエレ・ガッティ

  14. アムステルダム発 〓 コンセルトヘボウが8日からネット上で「マーラー・フェスティバル」

  15. ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場が“Nightly Met Opera Streams”の終了を発表

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。