訃報 〓 ヴィルジニア・ゼアーニ, ルーマニア出身のソプラノ歌手

2020/10/26

ルーマニア生まれのソプラノ歌手ヴィルジニア・ゼアーニ(Virginia Zeani)が亡くなった。95歳だった。世界的な歌劇場で活躍を続け、女優のエリザベス・テイラー、エヴァ・ガードナー、ジーナ・ロロブリジーダといった時代を代表する銀幕スターたちと並ぶ美貌でも知られた。

ルーマニアのトランシルヴァニア地方ソロバストルの生まれで、本名はヴィルジニア・ゼハン。13歳でブカレストに移り、ルチア・アンヘルに声楽を師事、リディア・リプコフスカの薫陶も受けた。1944年にイタリアに移り、ミラノで伝説のテノール、アウレリアーノ・ペルタイルに学んだ。

プロ・デビューは1948年で、ボローニャ歌劇場で《椿姫》のヴィオレッタ役を歌っている。幅広いレパートリーで知られ、生涯にコロラトゥーラの役柄を中心に69の役柄を歌ったが、中でもヴィオレッタは当たり役で、世界各地の歌劇場で通算648回歌ったという。

1952年にはフィレンツェでマリア・カラスの代役で《清教徒》エルヴィーラ役を歌ってセンセーショナルな成功を収めた。1956年、ミラノ・スカラ座にデビュー。この時はヘンデル《ジュリアス・シーザー》のクレオパトラ役を歌った。翌年、この時に共演したバス歌手ニコラ・ロッシ=レメーニ(Nicola Rossi-Lemeni)と結婚した。

1980年に歌手活動から引退、米国ブルーミントンにあるインディアナ大学に招かれたことから夫妻で米国に移住して後身の指導に当たり、門下生には、シルヴィア・マクネアー、ニコール・シュヴァリエ、ヴィヴィカ・ジュノーらがいる。1982年にサンフランシスコ・オペラの《カルメル派修道女の対話》に副修道院長マザー・マリー役で出演、これが最後のオペラ出演となった。

写真:Opera Nationala Bucuresti





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