東京・上野にある上野学園大学(Ueno Gakuen University)が7月22日、2021年度以降の学生募集を行わないことを発表した。関係者によると、来年度から学生の新規募集を停止し、段階的な閉鎖に向かう。少子化で学生数が減少。定員割れが4期続いていた。在学生には他校への転籍の相談にも応じるという。
上野学園は1958年に設立された私立の音楽大学。前身は明治37年、石橋蔵五郎氏が女子の「自覚」を建学の精神として創設した上野女学校。一時は横山幸雄、田部京子など一線の演奏家が教授を務め、ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで優勝した辻井伸行を輩出している。
しかし2017年、学園の運営をめぐり、横山が教員、学生を糾合して「新しい上野学園を作る会」を起ち上げて創業家の石橋家と対立、学園が横山を解雇して事態を収拾するという事件も起きている。
1974年、創立70周年を記念した石橋メモリアルホール(座席数662)が開場している。音響デザイナーの草分けとして知られた永田穂(1925-2018)が独立後に最初に取り組んだホールで、多目的ホールとは一線を画し、当時は珍しいコンサート専用の中規模ホールとして注目された。
写真:Ueno Gakuen University
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東京発 〓 音楽大学「上野学園大学」が来年度から学生の新規募集を停止
2020/07/27
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