訃報 〓 服部克久(83)日本の作曲家

2020/06/12
【最終更新日】2023/02/06

日本を代表する作曲家の服部克久(Katsuhisa Hattori)が11日午前、心不全のため都内の病院で死去した。83歳だった。国民栄誉賞を受賞している作曲家の服部良一(Ryoichi Hattori)の長男で、作曲家、編曲家として、テレビ放送の創生期から番組音楽などを数多く手掛けた。

1936年、東京生まれ。成蹊学園中学、高校を経て、フランス・パリ国立高等音楽院作曲科に留学した。1958年に卒業して帰国すると、テレビ放送の創成期にぶつかり、テレビ放送の創生期から番組音楽などを数多く手掛けた。代表作に「サンデーダーク」や「ミュージックフェア」、アニメ「トム・ソーヤーの冒険」、「新世界紀行」、「ザ・ベストテン」、連続テレビ小説「わかば」などがある。

また、1964年の東京五輪では体操競技や開閉会式の音楽を担当。1970年の「大阪万博」では「ガス館」のミロの壁画の音楽を手掛けている。

また、編曲家としても活躍。帰国後の1971年、「花のメルヘン」で日本レコード大賞編曲賞を授賞している。谷村新司のヒット曲「昴―すばる―」、竹内まりやの「駅」など、アレンジした楽曲は延べ6万曲に及ぶ。

1983年からは、自作を思い通りに編曲プロデュースするアルバム「音楽畑」シリーズの発売を開始。これはライフワークとなり、1990、1998年に日本レコード大賞企画賞を受賞した。

音楽生活60周年を迎えた昨年9月、5年ぶりのリリースとなった「音楽畑22 The Final?」には、長男で作曲家の服部隆之、孫娘でヴァイオリニストの服部百音と初めて共作した「ル・ローヌ」を収録している。

1989年から東京音楽大学客員教授に就任。1994年には、日本作編曲家協会会長に就任。2009年から2013年に日本作曲家協会の第6代会長を務めた。日本作曲家協会では、父の良一が第2代会長(1978-1993)を務めている。

写真:hatkat.com / Ty’s Tsuyoshi Nakajima


    もっと詳しく ▷


関連記事

  1. ローザンヌ発 〓 ローザンヌ歌劇場が2021/2022シーズンの公演ラインナップを発表

  2. 浜松発 〓 国際ピアノアカデミー、4年ぶりに再開

  3. ワシントン発 〓 ワシントン・ナショナル・オペラの音楽監督にロバート・スパーノ

  4. ベルリン発 〓 バレンボイムが一時的に現場復帰

  5. パリ発 〓 フランス国立管の組合がフランス放送フィルのストライキに同調

  6. ウィーン発 〓 キリル・ペトレンコがウィーン・フィルとのコンサートをすべてキャンセル

  7. ウィーン発 〓 ネトレプコがロシアのウクライナ侵略に反対、プーチン大統領との関係を否定する声明

  8. ワシントン発 〓 ジャナンドレア・ノセダがナショナル交響楽団との契約を延長

  9. ニューヨーク発 〓 カーネギー・ホールが再開場祝うガラ・コンサート

  10. 大津発 〓 びわ湖ホールが《神々の黄昏》を無観客公演に、同時に無料ストリーミング配信

  11. ニューヨーク発 〓 ポリーニが心臓病の療養で全米ツアーを中止、藤田真央が代役でカーネギー・ホールにデビュー

  12. 東京発 〓 都響が2024年度楽季の公演ラインナップを発表

  13. ボルチモア発 〓 マリン・オールソップがシーズン終了をもってボルティモア響の音楽監督を退任

  14. ニース発 〓 ニース・フィルの首席指揮者にリオネル・ブランギエ

  15. ストックホルム発 〓 ロイヤル・ストックホルム・フィルの次期首席指揮者にライアン・バンクロフト

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。