東京発 〓 第36回「高松宮殿下記念世界文化賞」音楽部門はアンドラーシュ・シフに

2025/07/16

世界の優れた芸術家を顕彰する「高松宮殿下記念世界文化賞=Praemium Imperiale」が15日、ロンドン、ローマ、東京など世界6都市で第36回受賞者を発表した。音楽部門では、ハンガリー出身で英国籍のアンドラーシュ・シフ(Schiff András)が選ばれた。授賞式は10月22日、東京都内で開催される。

賞は1988年(昭和63年)、日本美術協会が設立100周年を記念して創設した賞。前総裁の高松宮殿下の「世界の文化芸術の普及向上に広く寄与したい」という遺志を継いだもので、絵画部門、彫刻部門、建築部門、音楽部門、演劇・映像部門があり、受賞者には金メダルと賞金1500万円が贈られる。

シフ以外の受賞者は、絵画部門がピーター・ドイグ(66)英国、彫刻部門がマリーナ・アブラモヴィッチ(78)セルビア、建築部門がエドゥアルド・ソウト・デ・モウラ(72)ポルトガル、演劇・映像部門がアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル(65)ベルギー。また、次世代を担う若手芸術家を育成する「若手芸術家奨励制度」の第28回対象団体には、イギリスのナショナル・ユース・シアターが選ばれた。

シフはブダペスト生まれの71歳で、現代を代表するピアニストの一人。ともにホロコーストの生き残りという両親の元で育ち、5歳からピアノを始め、14歳からリスト音楽院で学び、フェレンツ・ラドシュに師事した。1974年の「チャイコフスキー国際コンクール」ピアノ部門で4位、1975年の「リーズ国際ピアノ・コンクール」で3位に入賞している。

ドイツやオーストリア、母国ハンガリー系の音楽を核に幅広いレパートリーを持ち、1980年代には、同門のデジュー・ラーンキ、ゾルタン・コチシュと共に“ハンガリー三羽烏”と呼ばれ、て国際的な活動を見せた。

その後、ピアノを弾きながらオーケストラを指揮する「弾き振り」、音楽祭の芸術監督など多彩な活動を繰り広げてきた。室内アンサンブル「カペラ・アンドレア・バルカ」を創設、妻でヴァイオリニストの塩川悠子もそのメンバー。1987年にオーストリアの、2001年にイギリスの市民権を取得、2014年にはナイトの称号を授与されている。

写真:Place des Arts


    もっと詳しく ▷


関連記事

  1. 松本発 〓 セイジ・オザワ松本フェスティバルが開催断念を発表

  2. ブラティスラバ発 〓 スロヴァキア放送響激震、レナルトが復帰

  3. 東京発 〓 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールと沼尻竜典が「第51回ENEOS音楽賞」洋楽部門を受賞

  4. ロンドン発 〓 英国はイングランドでロックダウン、劇場も閉鎖

  5. バルセロナ発 〓 アラーニャ、クルザク夫妻がリセウ大劇場の《トスカ》から撤退、理由は「卑猥な演出」

  6. エーテボリ発 〓 エーテボリ歌劇場が新シーズン、2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表

  7. パリ発 〓 国立オペラ総裁の後任選びで面接!?

  8. チューリッヒ発 〓 チューリッヒ歌劇場が2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表、芸術総監督ホモキが最終シーズン

  9. トビリシ発 〓 ヴァイオリンのバティアシュヴィリが母国ジョージアに若い音楽家を支援するための財団を設立

  10. バイロイト発 〓 リヒャルト・ワーグナー記念館が《さまよえるオランダ人》の直筆楽譜を初公開

  11. ニューヨーク発 〓 カーネギーホールがゲルギエフに“追加制裁”、5月のマリインスキー管との公演もキャンセル

  12. ヴヴェイ発 〓 クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールが最終出場者22人を発表

  13. 東京発 〓 NHK交響楽団が次期首席指揮者にファビオ・ルイージ

  14. ドルトムント発 〓 市立劇場が創立60周年を記念して、映画『ベルリン・天使の詩』を原作とした新作オペラを新制作

  15. バニング発 〓 アナログ・レコード人気に打撃、ラッカー盤製造メーカーの工場が全焼

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。