ロサンゼルス発 〓 映画音楽の巨匠ジョン・ウィリアムズ、作曲活動からの引退を撤回

2023/01/20

映画音楽界のレジェンド、米国の作曲家ジョン・ウィリアムズ(John Williams)が19日、スティーブン・スピルバーグ監督と行ったトーク・イベントで作曲活動からの引退を撤回した。

この日のトーク・イベントは、ウィリアムズが音楽を手掛けた『フェイブルマンズ』と『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』の公開に合わせ、全米脚本家組合劇場で行われたもの。前者は映画監督になる夢を叶えたスピルバーグ自身の原体験を描いた作品で、自らメガホンを執っている。

主人公は映画館を初めて訪れた時から映画に夢中になったスピルバーグを重ね合わせた少年サミー。コンピューター技師の父親、かつてピアニストをめざした母親との関係、さまざまな人々との出会いによって成長していく姿が描かれる。

サミー役にガブリエル・ラベル、母親役にミシェル・ウィリアムズ、父親役にポール・ダノが起用されている。一方、後者はハリソン・フォード主演の「インディ・ジョーンズ」シリーズの最新作にしてフォードにとっては最後の作品で、監督はジェームズ・マンゴールド。

現地の報道をまとめると、ウィリアムズは司会者から「この二作が最後の作品になるという報道がありますが…」と訊かれて「しばらくはここにいるつもりだ」と引退説を否定。その理由として、スピルバーグとの長年のパートナーシップを挙げた。二人のタッグは、1974年の映画『シュガーランド・エクスプレス』に遡る。

ウィリアムズはまた、2020年に103歳で亡くなったスピルバーグの父親が、100歳を過ぎても息子のホロコースト追悼プロジェクト「ショア財団」で働き続けていたことを指摘。「スティーブンは監督であり、プロデューサーであり、スタジオの責任者であり、作家でもある。慈善家でもある。教育者でもある。(私にとって)ノーと言える男ではないんだ」と付け加えた。

これを受けてスピルバーグが「ウィリアムズに仕事をさせるため、次に何を監督するか考えなければならない」と会場を沸かせると、ウィリアムズも呼応。「スティーブンの求めに応じて再び作曲をする。そう、これが彼が私に期待していることなんだ」と発言、大きな拍手が起きたという。

映画業界では、スピルバーグの次作はスティーブ・マックイーン主演の『ブリット』で描かれたフランク・ブリットの物語を、ブラッドリー・クーパー主演で制作するとみられている。

写真:Alex J. Berliner / Abimages


関連記事

  1. ライプツィヒ発 〓 ゲヴァントハウス管が2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表、目玉は「マーラー・フェス」

  2. ハンブルク発 〓 州立オペラが2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表、音楽総監督ケント・ナガノの最終シーズン

  3. ミュンヘン発 〓 ゲルトナープラッツ劇場のジェニファー・オローリン、ルシアン・クラスネクにバイエルン州から「宮廷歌手」の称号

  4. チューリッヒ発 〓 チューリッヒ歌劇場が新たにバロック音楽祭を起ち上げ

  5. グラナダ発 〓 ルーカス・マシアス=ナバロがグラナダ市管の芸術監督に

  6. ベルリン発 〓 コンツェルトハウスで第3回「オーパス・クラシック」の授賞式

  7. クリーヴランド発 〓 クリーヴランド管が空席だったコンサートマスターにデイヴィッド・ラジンスキ

  8. ウィーン発 〓 ウィーン・フィルによる恒例のクリスマス・コンサート中止へ

  9. プラハ発 〓 ヤクブ・フルシャがセミヨン・ビシュコフの後任として、2028/2029シーズンからがチェコ・フィルの音楽監督に

  10. ウィーン発 〓 国立歌劇場が2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表

  11. フィラデルフィア発 〓 マリン・オールソップがフィラデルフィア管の首席客演指揮者に

  12. 東京発 〓 指揮者の小林研一郎にハンガリーの最高位の勲章「大十字功労章」

  13. シュトゥットガルト発 〓 クルレンツィスツィスがコンサートのプログラムを変更、ウクライナとロシアの作曲家の作品を同時に入れる

  14. モスクワ発 〓 ロシアのヴォロージン下院議長がウクライナ侵略の停止をプーチン大統領に求めた文化人たちを批判

  15. ポズナン発 〓 スタニスワフ・モニューシュコ大劇場の音楽監督にイタリアのマルコ・グィダリーニ

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。