訃報 〓 辻久子(95)日本のヴァイオリン奏者

2021/07/15
【最終更新日】2023/02/06

関西を拠点に国際的に活躍したヴァイオリニストの辻久子(本名:坂田久子)が出身地の大阪市で亡くなっていたことが13日に分かった。95歳だった。戦前から若くして国際的に活躍。戦後は演奏活動のかたわら音楽教育や地域文化の発展にも貢献した関西音楽界の重鎮だった。

父親は宝塚少女歌劇管弦楽団のコンサートマスターで、その指導で6歳からヴァイオリンを習い始め、9歳だった1935年に大阪松竹座でデビュー。12歳で毎日音楽コンクールで1位を獲得、天才少女と呼ばれた。その後、ベートーヴェンをはじめとする四大ヴァイオリン協奏曲の連続演奏などで話題を集め、音楽使節として満州国(現在の中国東北部)などへの演奏旅行も行っている。

戦後は1959年、ダヴィッド・オイストラフの推薦により旧ソ連、ヨーロッパ各地に演奏旅行を行い大成功を収めた。戦後第1世代として幅広く活躍、内外で行った演奏会は4000回を超える。

1973年にはヴァイオリンの名器ストラディバリウス購入のため自宅を3500万円で売却して話題をさらった。また、父親による英才教育など、その半生は1984年に「弦鳴りやまず」というタイトルで、毎日放送によってテレビ・ドラマ化された。

演奏活動のかわたら、後進の指導にも尽力。1992年には大阪市内に「辻久子記念弦楽アンサンブルホール」を完成させ、後進を育てる「弦楽塾」を創設して塾長に就任した。地域文化の発展にも力を注ぎ、兵庫県川西市が1996年に「みつなかホール」をオープンさせた時には、運営母体となった市の文化財団理事長に就任した。

兵庫県文化賞、神戸新聞文化賞、大阪府民劇場賞など多くの賞を受けており、1989年に紫綬褒章、1996年には勲四等宝冠章を受章している。

写真:Snow Record


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