大津発 〓 沼尻竜典が2023年で「びわ湖ホール」芸術監督を退任、バトンは阪哲朗に

2021/04/03

滋賀県の「びわ湖ホール」が芸術監督を務める沼尻竜典との契約を延長したことを発表した。任期は1年延長され、2023年3月までとなる。2023年4月からは指揮者の阪哲朗が3代目の芸術監督に就任する予定で、それに先立ち、この4月から芸術参与に就任することも発表された。

沼尻は東京生まれの56歳。1990年のフランス・ブザンソン国際指揮者コンクール優勝後、海外のさまざまなオーケストラを指揮。ドイツのリューベック歌劇場の音楽総監督などを経て、2007年に「びわ湖ホール」の芸術監督に就任した。任期最後の2023年3月の《ニュルンベルクのマイスタージンガー》の上演が実現すると、在任16年で習作期を除くワーグナーのオペラ全10作品上演を達成する。

「びわ湖ホール」での仕事では、2016年に自作のオペラ《竹取物語》の上演で、2017年に《ラインの黄金》、《ノルマ》で、2019年には《ジークフリート》が三菱UFJ信託音楽賞受賞や文化庁芸術祭優秀賞といった賞を受賞。2020年には大阪《神々の黄昏》が菊池寛賞、ミュージック・ペンクラブ音楽賞受賞を授賞した。

阪は京都市生まれの53歳。1995年のブザンソン国際指揮者コンクール優勝後、ドイツのレーゲンスブルクの歌劇場の音楽総監督などヨーロッパの歌劇場でキャリアを積み、2019年4月から山形交響楽団の常任指揮者。2004年に演奏会形式で上演されたメノッティのオペラ《アマールと夜の訪問者》で「びわ湖ホール」に初登板。今年1月にも《魔笛》の公演を指揮している。

写真:Yusuke Takamura


    もっと詳しく ▷


関連記事

  1. ロッテルダム発 〓 フィンランドの若手指揮者タルモ・ペルトコスキがロッテルダム・フィルの常任客演指揮者に

  2. 訃報 〓 ディナ・ウゴルスカヤ(46)旧ソ連出身のドイツのピアニスト

  3. 名古屋発 〓 名古屋フィルのコンサートマスターに小川響子

  4. ロサンゼルス発 〓 第92回「アカデミー賞」の作曲賞に『ジョーカー』のヒドゥル・グドナドッティル

  5. モスクワ発 〓 ボリショイ劇場で“ウクライナにおける特別軍事作戦”で死亡した兵士の遺族のためのチャリティー公演

  6. ロンドン発 〓 作曲家のジョナサン・ゴールドスタイン夫妻が自家用機で衝突死

  7. オルデンブルク発 〓 州立劇場が音楽総監督ヘンドリク・ヴェストマンの退任発表、任期満了の2024/2025シーズンをもって

  8. ミュンヘン発 〓 ラハフ・シャニがミュンヘン・フィルの首席指揮者に

  9. シドニー発 〓 オペラハウスが5日に《メリー・ウィドウ》で再開場

  10. モスクワ発 〓 ネトレプコが新型コロナ感染を明らかに、Instagramへの投稿で

  11. グラーツ発 〓 グラーツ歌劇場の音楽総監督にヴァシリス・クリストプロス

  12. アムステルダム発 〓 オランダ政府がロックダウンを延長、2022年1月14日まで

  13. ストックホルム発 〓 2022年の「ポーラー音楽賞」にフランスの室内オーケストラ、アンサンブル・アンテルコンタンポラン

  14. ブリュッセル発 〓 モネ劇場が2月のストリーミング配信のラインナップを発表

  15. ロンドン発 〓 イングリッシュ・ナショナル・オペラが5年かけ、新しい《ニーベルングの指環》

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。