訃報 〓 ガブリエル・フムラ(74)ポーランドの指揮者

2020/11/19
【最終更新日】2023/02/06

ポーランドの指揮者ガブリエル・フムラ(Gabriel Chmura)が17日に急逝した。74歳だった。原因は明らかにされていない。10月2日にはコンサートを指揮していた。若き日にブザンソン、カラヤン、カンテルリといった国際指揮者コンクールで次々に優勝、ポーランドを代表する指揮者の一人だった。

ヴロツワフの生まれで、1957年に一家でイスラエルに移住。1964年から1968年にかけてテルアビブの音楽院で指揮、ピアノ、作曲を学んだ後、パリでピエール・デルヴォー、ウィーンでハンス・スワロフスキー、シエナでフランコ・フェラーラに師事した。

その後、1970年のフランス・ブザンソンの国際指揮者コンクールで優勝して注目を集め、1971年にはベルリンのカラヤン国際指揮者コンクールで優勝、ミラノ・スカラ座が主催するグイード・カンテルリ国際指揮者コンクールでも金賞を獲得して話題をさらった。

1974年、ミュンヘンのバイエルン州立歌劇場でヴェルディ《オテロ》を指揮して本格的なデビューを飾り、その年、アーヘン歌劇場の音楽総監督に就任。1983年からはボーフム・フィルハーモニーの音楽監督に活動の場を転じた。その後、ヨーロッパ各地の歌劇場、オーケストラに客演を続けた。

1987年、カナダの首都オタワにあるナショナル・アーツ・センター管弦楽団の音楽監督に就任(-1990)。2001年から2007年にポーランド南部カトヴィツェのポーランド国立放送交響楽団の音楽監督を務めた後、2012年からはポーランド西部ポズナンの歌劇場の芸術監督を務めていた。

写真:Teatr Wielki im. Stanisława Moniuszki w Poznaniu


関連記事

  1. ミュンヘン発 〓 ゲルトナープラッツ州立劇場の次期首席指揮者にアルゼンチン出身のルベン・ドゥブロフスキー

  2. ミュンヘン発 〓 「オペラ・アワード2024」の授賞式がプリンツ・レゲンテン劇場で

  3. ブリスベン発 〓 「オペラ・オーストラリア」が新しい“リング”チクルス

  4. ベルリン発 〓 ベルリン・フィルが11月の米国ツアー中止を発表

  5. モンテカルロ発 〓 チェチーリア・バルトリがモンテカルロ歌劇場の監督に

  6. シカゴ発 〓 シカゴ響の大ベテラン二人が引退、在籍45年と39年

  7. ラス・パルマス発 〓 グラン・カナリア・フィルが首席指揮者兼芸術監督のカレル・マーク・チチョンとの契約を延長

  8. ウィーン発 〓 フォルクスオーパーが芸術監督のロッテ・デ・ベアとの契約を延長

  9. ニューヨーク発 〓 ドローラ・ザジックが引退を表明

  10. ワシントン発 〓 ナショナル交響楽団が中国公演を中止

  11. ジュネーブ発 〓 ジュネーブ大劇院が新制作の《トゥーランドット》を無料ストリーミング

  12. ロサンゼルス発 〓 夏の風物詩「ハリウッドボウル」も開催中止

  13. 訃報 〓 アンソニー・ペイン(84)英国の作曲家

  14. リエージュ発 〓 ワロン王立オペラが次期音楽監督にジャンパオロ・ビサンティ

  15. ベルリン発 〓 ベルリン・フィルの新しいクラリネット奏者はともにスロベニア出身で同門という二人

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。