ミュンヘン発 〓 バイエルン州立オペラが2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表

2020/03/15
【最終更新日】2021/12/07

ドイツ・ミュンヘンのバイエルン州立オペラ(Bayerische Staatsoper)が2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表した。

新制作は、世界初演となるルカ・フランチェスコーニの《アテネのタイモン》、ミロスラフ・スルンカの《シンギュラリティ》を含む8作品。

フランチェスコーニはイタリアの作曲家で1956年の生まれ。スルンカはチェコの作曲家で1975年の生まれ。バイエルン州立歌劇場では2016年にオペラ《南極点》が初演されている。

ヴァルター・ブラウンフェルス(1882-1954)はフランクフルト出身のドイツの作曲家で、1920年代にはリヒャルト・シュトラウスやフランツ・シュレーカーとともにドイツを代表するオペラ作曲家と目されていた。

しかし、ユダヤ系であったことから1933年にナチス・ドイツによって公職を追われ、その音楽には「退廃音楽」の烙印を押された。《鳥たち》は代表作の一つで、3番目のオペラ。1920年にブルーノ・ワルターの指揮でミュンヘンで初演されたゆかりの作品。

2020/2021シーズンは、2008/2009シーズンから劇場を率いてきた総監督のニコラウス・バッハラー、音楽総監督のキリル・ペトレンコのコンビにとって最後のシーズン。2021/2022シーズンからは総監督にセルジュ・ドルニー、音楽総監督にはウラディーミル・ユロフスキがそれぞれ就任することが決まっている。

ドイツ物では、リヒャルト・シュトラウス《薔薇の騎士》とワーグナー《トリスタンとイゾルデ》が新制作される。それぞれ、演出はバリー・コスキーとクリストフ・ワリコフスキ。


ブラウンフェルス《鳥たち》
10月31日 →
指揮:インゴ・メッツマッハー
演出:フランク・カストルフ
出演:チャールズ・ワークマン / キャロライン・ウェッターグリーン / ミヒャエル・ナジ / ヴォルフガング・コッホ

ルカ・フランチェスコーニ《アテネのタイモン》 = 世界初演
11月29日 →
指揮:ケント・ナガノ
演出:アンドレアス・クリーゲンブルク
出演:トビー・スペンス / ヨッヘン・クプファー / エイドリアン・アンジェリコ / ニコライ・シューコフ

ウェーバー《魔弾の射手》
2021年2月7日 →
指揮:アントネッロ・マナコルダ
演出:ドミトリー・チェルニャコフ
出演:ゴルダ・マティアス・シュルツ / パヴェル・チェルノフ / アンナ・プロハスカ / カイル・ケテルセン

リヒャルト・シュトラウス《薔薇の騎士》
2021年3月13日 →
指揮:ウラディーミル・ユロフスキ
演出:バリー・コスキー
出演:マーリス・ペーターゼン / クリストフ・フィッシェッサー / サマンサ・ハンキー / カタリナ・コンラディ

アリベルト・ライマン《リア》
2021年5月23日 →
指揮:ユッカ=ペッカ・サラステ
演出:クリストフ・マルターラ
出演:クリスティアン・ゲルハーヘル / ハンナ=エリーザベト・ミュラー / アンゲラ・デノケ / アウシュリネ・ストゥンディーテ

ミロスラフ・スルンカ《シンギュラリティ》 = 世界初演
2021年6月11日 →
出演:オペラ・スタジオのメンバー

ワーグナー《トリスタンとイゾルデ》
2021年6月29日 →
指揮:キリル・ペトレンコ
演出:クリストフ・ワリコフスキ
出演:ヨナス・カウフマン / アニヤ・ハルテロス / ミカ・カレス / ヴォルフガング・コッホ / オッカ・フォン・デル・ダメラウ
(ミュンヘン・オペラ・フェスティバルでの上演)

モーツァルト《イドメネオ》
2021年7月19日 →
指揮:コンスタンティノス・カリーディス
演出:アントゥ・ロメロ・ヌネス
出演:マシュー・ポレンザーニ / オルガ・クルチンスカ / エミリー・ダンジェロ / ハンナ=エリーザベト・ミュラー
(ミュンヘン・オペラ・フェスティバルでの上演)

写真:Bayerische Staatsoper / Wilfried Hösl


    もっと詳しく ▷

関連記事

  1. ボストン発 〓 フェニックス管弦楽団の次期音楽監督にジョシュア・ワイラースタイン

  2. バルセロナ発 〓 スペイン放送協会がサグラダ・ファミリア大聖堂でウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の特別コンサート

  3. 東京発 〓 東京交響楽団が先陣切って公演再開へ

  4. ベルン発 〓 チェリストのアントニオ・メネセスが進行性の脳腫瘍と診断されたことを明らかに

  5. ニューヨーク発 〓 ラトルが《薔薇の騎士》で1日だけ代役を依頼

  6. トリノ発 〓 RAI国立交響楽団の首席客演指揮者にロバート・トレヴィーノ

  7. ウィーン発 〓 今年のサマー・ナイト・コンサートは6月18日と発表、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

  8. マドリッド発 〓 ドミンゴがSNSで新型コロナウイルス感染を明らかに

  9. ウィーン発 〓 来年の「ニューイヤー・コンサート」は史上初の無観客で

  10. 東京発 〓 久石譲が新作交響曲を自ら世界初演、創立50周年を迎える新日本フィルの2021/2022シーズンのオープニング・コンサートで

  11. ドルトムント発 〓 市の音楽総監督に指揮者のジョーダン・デ・スーザ

  12. ストラスブール発 〓 初演200年を迎えた《第九》を、「Arte」が4都市4オーケストラの映像を繋いで放送

  13. 訃報 〓 オトマール・マーガ(90)ドイツの指揮者

  14. ギュータースロー発 〓 若手歌手のための国際コンクール「新しい声」が終了

  15. オークランド発 〓 「ASBシアター」が「キリ・テ・カナワ劇場」に改名

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。