バリトン歌手ロランド・パネライ(Rolando Panerai)が10月23日, 95歳で亡くなった。戦後のオペラの黄金期に活躍した歌手の一人で、柔らかく温かみのある声で音楽ファンを魅了した。
フィレンツェに近いカンピ・ビゼンツィオ(Campi Bisenzio)の生まれ。フィレンツェとミラノで声楽を学んで1947年にナポリのサン・カルロ劇場で初舞台を踏んだ。1951年に《蝶々夫人》のシャープレス役を歌ってミラノ・スカラ座にデビュー。1954年にはメノッティの《アメリア舞踏会へ行く》の初演に参加、1957年にはザルツブルク音楽祭にデビューしている。
その後、世界各地の歌劇場で活躍。マリア・カラス、ジュゼッペ・ディ・ステファノら時代を代表する歌手たちと共演を重ね、数多くの録音に参加している。20世紀を代表するスター指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンに重用されたことでも知られる。フォードやリゴレット、フィガロやジェルモン、アモナズロなどを得意とし、150を超える役を歌っている。
引退後も機会があれば舞台に立ち、2011年にはジェノヴァのカルロ・フェリーチェ劇場の《ジャンニ・スキッキ》に出演して健在を示した。これまでの功績を讃えられ、2015年に「マリア・カラス」賞、昨年11月には「トゥリオ・セラフィン」賞を受賞している。
写真:Teatro Carlo Felice
訃報 〓 ロランド・パネライ(95)イタリアのバリトン歌手
2019/10/24
【最終更新日】2023/02/16
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