ロンドン発 〓 ロストロポーヴィチ夫妻の遺品にオークションで高値

2018/12/01

ロンドンのオークション大手「サザビーズ」で28日、世界的なチェリスト、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(1927 – 2007)とその夫人、ガリーナ・ヴィシネフスカヤ(1926 – 2012)の遺品が競売に掛けられ、総額で400万ポンド(約5億8000万円)の値が付いた。出品されたのは、楽器、家具、宝石、食器など約300点。

出品されたチェロは3丁。その中の、1783年製の「ジョヴァンニ・バティスタ・グァダニーニ」が193万ポンド(約2億8000万円)で落札された。ロストロポーヴィチがパリで2000年に購入したもので、出品された中の最高値が付いた。彼は1945年、18歳の若さで全ソビエト音楽コンクールで金賞を受賞、当時使っていたチェロはグァダニーニ製と思っていたという。ところが、1974年に旧ソ連を出国した後、スイスで改めて鑑定してもらったところ、別人のものだったことが判明。その反動からガダニーニへの思い入れは強かったという。

また、1741年製の「サント・セラフィン」は61万ポンド(約8800万円)で落札。もう一丁の、1743年製の「ジョバンニ・ギダンティ」には落札者がなかった。ピアノは1976年製の「ベーゼンドルファー」が出品され、45000ポンド(約652万円)。ヴィトルト・ルトスワフスキ、アルフレート・シュニトケ、アルトゥール・ルービンシュタインたちがそのピアノを弾いたことがあるという。

写真:Sotheby’s / Dinendra Haria / ALAMY


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