ドイツのバス・バリトン歌手ジークムント・ニムスゲルン(Siegmund Nimsgern)が14日、自宅のあるドイツ・ザールラント州ザンクト・イングベルトに亡くなった。85歳だった。1983年から1986年にかけて、ドイツ・バイロイト音楽祭でピーター・ホール演出、ゲオルク・ショルティが指揮するワーグナー《ニーベルングの指環》のヴォータン役を演じるなど、世界各地のオペラハウス、音楽祭で活躍した。
ザールラント州ザンクト・ヴェンデルの生まれ。ザールブリュッケン大学で音楽学、ドイツ語、哲学を、音楽はザール音楽大学で学び、1966年のミュンヘン国際音楽コンクールで第2位を獲得。1967年に地元の州立劇場で初舞台を踏んだ。1971年にはデュッセルドルフとデュイスブルクで活動するライン・ドイツ・オペラに移籍して国際的なキャリアをスタートさせた。
その後、1970年代前半になってミラノ・スカラ座、ロンドンのロイヤル・オペラ、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場、ウィーン国立歌劇場に次々にデビュー。また、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮のワーグナー《パルジファル》など、数多くの録音に参加。1989年にショルティ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団による《ローエングリン》などでグラミー賞を2回受賞している。子息は作曲家のフランク・ニムスゲルン。
写真:Bayerischer Rundfunk


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