演出家のピエール・アウディ(Pierre Audi)が3日、滞在中の中国・北京で亡くなった。67歳だった。2019年からその任にあるフランスのエクス=アン=プロヴァンス音楽祭の総監督の他、オランダ国立オペラ、オランダ・フェスティバルの芸術監督を歴任してきた。
アウディは1957年、レバノンの首都ベイルート生まれの67歳。パリを経て英国のオックスフォード大学で学び、20代だった1979年、ロンドンのイズリントンにアルメイダ劇場と現代音楽祭を創設、1989年までその芸術監督を務めた。
その後、1988年から2018年まで30年にわたってオランダ国立オペラの芸術監督を務め、現代作品の演出を数多く手掛け、シュトックハウゼン、フェルドマン、リーム、ヘンツェ、サーリアホ、クナイフェル、マンフレート・トロヤーン、クロード・ヴィヴィエの作品の世界初演に関わってきた。
その後、2004年から2014年までオランダ・フェスティバル、2015年からニューヨークのパーク・アベニュー・アーモリーを歴任。その間、世界の著名な歌劇場、音楽祭で数多くの名舞台を送り出した。
最近は音楽祭で《アラビアの黙示録》、《ウリッセの帰還》、フィレンツェ5月音楽祭で《オルフェオとエウリディーチェ》、新国立劇場とフィンランド国立オペラで《シモン・ボッカネグラ》を演出している。
また、ブリュッセルのモネ劇場では、《ニーベルングの指環》の4部作上演を途中降板したロメオ・カステルッチの後を受け、ワーグナー《ジークフリート》とワーグナー《神々の黄昏》を手掛けている。
写真:Festival d’Aix-en-Provence / Kommersant
訃報 〓 ピエール・アウディ(67)レバノン出身の演出家

2025/05/05
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