米国のトランプ大統領は12日、SNSへの投稿で首都ワシントンの文化施設「ケネディ・センター」の理事長に就任したと発表した。理事の任命権は大統領にあり、トランプ大統領は就任直後、デービッド・ルーベンスタイン理事長、デボラ・ラター会長ら主要幹部を更迭、会長にはグレネル元国家情報長官代行を暫定の会長に据えていた。
米国での報道によると、大統領は以前からリベラル派の価値観に近い公演内容に不満を持っており、就任前にSNSで、センターが女装パフォーマーの「ドラァグクイーン」のショーを催したことを批判していた。新たに理事に任命したのはボンディ司法長官やワイルズ大統領首席補佐官ら側近、ウーシャ・バンス副大統領夫人、熱烈な支持者で歌手のリー・グリーンウッドらで、大統領は自らの理事長就任については「全会一致で選出された」ことを強調している。
ケネディ・センターは1971年、ポトマック河畔にケネディ元大統領を記念する施設としてオープン。1997年に大改修が行われ、中にナショナル交響楽団が本拠地とするコンサート・ホール(2,442名収容)、オペラ・ハウス(2,300名収容)、アイゼンハワー・シアター(1,100名収容)、ファミリー・シアター(324名収容)、テラス・シアター(513名収容)を持つ。音楽や演劇など年間約2000の公演が開催され、約200万人が訪れる芸術の殿堂となっている。
一方、大統領による理事会と経営陣の更迭を受け、センターの芸術顧問を務めるルネ・フレミングが辞任を発表。ロック・ミュージシャンのベン・フォールズがナショナル響の芸術顧問を辞任している。
写真;John F. Kennedy Center / Steven Holl Architects
ワシントン発 〓 トランプ大統領自らが「ケネディー・センター」の理事長に就任、リベラル派を一掃

2025/02/14
- コメント: 0
この記事へのコメントはありません。