ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の元首席クラリネット奏者のペーター・シュミードル(Peter Schmidl)が1日に急逝した。84歳だった。ウィーン・フィルでの演奏に加え、さまざまな室内楽アンサンブルに参加、またその門下から数多くの演奏家を世に送り出した。
ドイツ・ベーメン=メーレン保護領オルミュッツ(現在のチェコ・オロモウツ)生まれ。祖父のアロイス、父親のヴィクトルがウィーン・フィルの首席クラリネット奏者という家庭で育ち、ウィーン音楽演劇大学でルドルフ・イェッテルに師事、その後、アルフレート・ボスコフスキーにも師事した。また、ウィーンのマックス・ラインハルト・セミナーで演技と演出を学んでいる。
1965年にウィーン・フィルの母体であるウィーン国立歌劇場管弦楽団に第2クラリネット奏者として入団。3年後、第1クラリネット奏者となり、ウィーン・フィルにも入団、1982年から定年で退団する2010年まで首席奏者を務めた。また、故ヘルベルト・フォン・カラヤンにゲストとしてたびたび招かれ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団にも数多く客演した。
同時に室内楽の分野においても活躍。「新ウィーン八重奏団」、「ウィーン木管ゾリステン」のメンバーとして世界各国で演奏。ドイツ・グラモフォン、デッカ、テラークなどのレーベルへの録音も多い。
一方で、1967年から母校で長く教鞭を取り、教え子たちが世界各国のオーケストラで活躍している。日本でも1991年から教授を務めた(後に芸術監督)毎年夏に札幌で開催されるパシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)の他、草津夏期国際音楽アカデミーなどでマスター・クラスを行ってきた。
1984年にザルツブルク功労金勲章、1991年にオーストリア芸術名誉十字勲章など受章多数。
写真:ALSOJ ONLINE
訃報 〓 ペーター・シュミードル(84)元ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団首席クラリネット奏者

2025/02/05
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