世界の優れた芸術家を顕彰する「高松宮殿下記念世界文化賞=Praemium Imperiale」が10日、第35回の受賞者を発表した。5部門の受賞者は、絵画部門のソフィ・カル(フランス)、彫刻部門のドリス・サルセド(コロンビア)、建築部門の坂茂(日本)、演劇・映像部門のアン・リー(台湾)、音楽部門のマリア・ジョアン・ピレシュ(ポルトガル)の5部門5氏。
「高松宮殿下記念世界文化賞」は1988年(昭和63年)、日本美術協会が設立100周年を記念して創設した賞。前総裁の高松宮殿下の「世界の文化芸術の普及向上に広く寄与したい」という遺志を継いだもの。受賞者には金メダルと賞金1500万円が贈られる。
ピレシュは首都リスボン生まれの80歳。地元の国立音楽院で作曲と音楽理論を学んだ後、17歳でドイツに留学。1970年にベートーヴェン生誕200周年記念コンクールで優勝し、1986年にロンドンのクイーン・エリザベス・ホールで初リサイタルを開いたのを皮切りに国際舞台での活躍を始めた。
1999年にはポルトガル東部に農村出身の子供たちのための合唱団の活動やワークショップの拠点として「ベルガイシュ芸術センター」を設立。2012年にはベルギーで、恵まれない環境の子供たちのための合唱団を結成するなど社会活動にも積極的に取り組んできた。
初来日は1969年で、大の親日家。公演の合間に文楽や歌舞伎など日本の古典芸能を鑑賞することを楽しみにしており、2008年には、NHK教育番組「スーパーピアノレッスン」で講師を務めた。2017年末に2018年で現役の舞台からは退くと発表したが、その後も移住先のブラジルのバイーア州サルヴァドールを拠点に国際的な演奏活動を続けてきた。
写真: Mozarteumorchester Salzburg
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東京発 〓 第35回「高松宮殿下記念世界文化賞」の音楽部門はマリア・ジョアン・ピレシュ
2024/09/11
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