シカゴ発 〓 シカゴ響の大ベテラン二人が引退、在籍45年と39年

2024/08/22

シカゴ交響楽団のベテラン奏者二人が9月で引退することが発表された。打楽器のジェームス・ロス(James Ross)とチェロのローレン・ブラウン(Loren Brown)で、在籍は45年と39年。ともに第8代音楽監督のゲオルグ・ショルティ時代に入団している。

ロスは1979年の入団。父親もシカゴ響の打楽器セクションのメンバーで、1954年から1967年にかけ第6代音楽監督のフリッツ・ライナーと第7代のジャン・マルティノン時代に活動。本人はノーザン・イリノイ大学で音楽を学び、グラント・パーク・オーケストラで6年間活動した後、シカゴ響に入団した。

50回以上の国内外ツアーに参加。1986年にはエーリッヒ・ラインスドルフ指揮で、ミヨーの「打楽器のための協奏曲」のソリストを務めた。この8月18日、ラヴィニア音楽祭で最後の演奏を行ったばかり。シカゴ市民管弦楽団の打楽器コーチやノースウェスタン大学やイーストマン音楽院などの非常勤講師も務めている。

一方のブラウンは1985年の入団。その前にミルウォーキー交響楽団の首席チェロ奏者を10年間務めている。オーケストラ初のロシアとオーストラリア・ツアーを含む、40回以上の国内外ツアーに参加。1992年にはダヴィッド・オットの「2つのチェロのための協奏曲」のオーケストラ初演に参加。ヨーヨー・マ率いるシルクロード・アンサンブルのコンサートなどに出演を重ねた。

ともにショルティ、第9代音楽監督のダニエル・バレンボイム、第10代のリッカルド・ムーティ、首席客演指揮者のクラウディオ・アバド、首席指揮者のベルナルト・ハイティンク、首席客演指揮者で名誉指揮者のピエール・ブーレーズらと共演を重ねてきた。

写真:Chicago Symphony Orchestra


関連記事

  1. マールボロ発 〓 マールボロ音楽祭が開催を断念

  2. ウィーン発 〓 来年の「ニューイヤー・コンサート」、無観客も検討

  3. 訃報 〓 カルロ・フランチ(91)イタリアの指揮者

  4. ベルリン発 〓 ベルリン・フィルに初の女性コンサートマスター、第1ヴァイオリンのヴィネタ・サレイカ=フォルクナーが昇格

  5. ニューヨーク発 〓 カーネギー・ホールがハレルを偲ぶオンライン演奏会

  6. ニューヨーク発 〓 米国のエンタメ・サイト、メトロポリタン歌劇場の次シーズンをスクープ !?

  7. 訃報 〓 カミラ・ウィックス(92)米国のヴァイオリン奏者

  8. ロンドン発 〓 指揮者のラトルが新型コロナに感染、ロンドン響の指揮をキャンセル

  9. ソウル発 〓 オスモ・ヴァンスカがソウル市立響の首席指揮者を退任

  10. 訃報 〓 エディタ・グルベローヴァ(74)スロバキアのソプラノ歌手

  11. 訃報 〓 ヘルムート・フロシャウアー(85)オーストリアの指揮者

  12. ドレスデン発 〓 指揮者のヤノフスキがドレスデン・フィルとの契約を延長

  13. ロンドン発 〓 ロイヤル・バレエのリアム・スカーレットにセクハラ疑惑?

  14. ハンブルク発 〓 「ドイツ・グラモフォン」の配信サービス「ステージプラス」がバイロイト音楽祭、ザルツブルク音楽祭の新制作オペラをストリーミング配信

  15. バイロイト発 〓 リヒャルト・ワーグナー記念館が《さまよえるオランダ人》の直筆楽譜を初公開

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。