ロシアのソプラノ歌手ガリーナ・ピサレンコ(Galina Pisarenko)が10月23日に亡くなった。88歳だった。ソ連時代から国際的な活躍を続け、数多くの録音に参加した。そのかたわらモスクワ音楽院で長く後進の指導に当たり、チャイコフスキー国際コンクールなどの審査員も歴任した。ロシア人民芸術家。
1934年、レニングラードの生まれ。グネーシン国立音楽大学でピアノを学ぶかたわら、モスクワ大学で経済学を、モスクワ国立言語大学モーリス・トレズ外国語研究所で外国語を学んだ。声楽を本格的に学んだのはその後で、モスクワ音楽院で、ピアニストのスヴャトスラフ・リヒテル夫人で名伯楽として知られたニーナ・ドルリアクに師事した。
1961年から1990年までスタニスラフスキー&ネミロヴィチ・ダンチェンコ国立モスクワ音楽劇場の看板歌手としてコロラトゥーラ・ソプラノ、リリック・ソプラノのさまざまな役を歌い、活躍の場を国際的に広げた。
伝説的な演出家ワルター・フェルゼンシュタイン率いる旧東ドイツのベルリン・コミッシェ・オーパーにも、1972年から1976年まで定期的に出演を重ねた。また、音楽劇場の日本公演で来日、チャイコフスキー《エフゲニー・オネーギン》でタチアナを演じている。
そのかたわら、1976年から母校のモスクワ音楽院で後進の指導を始め、1982年から助教授、1995年からは教授を務めた。門下生にはアルビナ・シャギムラトヴァ、エレーナ・グーセワらがいる。また、1991年に音楽劇場がモスクワ・ニュー・オペラを起ち上げに加わり、1994年からはトップを務めた。
写真:eemuzh.ru
訃報 〓 ガリーナ・ピサレンコ(88)ロシアのソプラノ歌手
2022/11/05
【最終更新日】2023/02/05
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