訃報 〓 ガリーナ・ピサレンコ(88)ロシアのソプラノ歌手

2022/11/05
【最終更新日】2023/02/05

ロシアのソプラノ歌手ガリーナ・ピサレンコ(Galina Pisarenko)が10月23日に亡くなった。88歳だった。ソ連時代から国際的な活躍を続け、数多くの録音に参加した。そのかたわらモスクワ音楽院で長く後進の指導に当たり、チャイコフスキー国際コンクールなどの審査員も歴任した。ロシア人民芸術家。

1934年、レニングラードの生まれ。グネーシン国立音楽大学でピアノを学ぶかたわら、モスクワ大学で経済学を、モスクワ国立言語大学モーリス・トレズ外国語研究所で外国語を学んだ。声楽を本格的に学んだのはその後で、モスクワ音楽院で、ピアニストのスヴャトスラフ・リヒテル夫人で名伯楽として知られたニーナ・ドルリアクに師事した。

1961年から1990年までスタニスラフスキー&ネミロヴィチ・ダンチェンコ国立モスクワ音楽劇場の看板歌手としてコロラトゥーラ・ソプラノ、リリック・ソプラノのさまざまな役を歌い、活躍の場を国際的に広げた。

伝説的な演出家ワルター・フェルゼンシュタイン率いる旧東ドイツのベルリン・コミッシェ・オーパーにも、1972年から1976年まで定期的に出演を重ねた。また、音楽劇場の日本公演で来日、チャイコフスキー《エフゲニー・オネーギン》でタチアナを演じている。

そのかたわら、1976年から母校のモスクワ音楽院で後進の指導を始め、1982年から助教授、1995年からは教授を務めた。門下生にはアルビナ・シャギムラトヴァ、エレーナ・グーセワらがいる。また、1991年に音楽劇場がモスクワ・ニュー・オペラを起ち上げに加わり、1994年からはトップを務めた。

写真:eemuzh.ru


関連記事

  1. ミラノ発 〓 ミラノ市長がスカラ座にゲルギエフの解任を要求、ロシアのウクライナ進攻で

  2. ライプツィヒ発 〓 市立歌劇場の次期音楽総監督にクロアチアのイヴァン・レプシッチ

  3. ブリュッセル発 〓 モネ劇場が無料のストリーミング配信を開始、その名も“ストリーミング・フェスティバル”

  4. ミラノ発 〓 スカラ座が新シーズン、2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表

  5. 訃報 〓 カーライル・フロイド(95)アメリカの作曲家

  6. ダルムシュタット発 〓 州立劇場が音楽総監督のダニエル・コーエンとの契約を延長

  7. 訃報 〓 ミキス・テオドラキス(96)ギリシャの作曲家・社会活動家

  8. 東京発 〓 シュターツカペレ・ベルリンの日本ツアーで指揮者交代、バレンボイムの代役にティーレマン

  9. 訃報 〓 ミシェル・コルボ(87)スイスの指揮者

  10. ジュネーブ発 〓 ジョナサン・ノットが音楽監督を務めるスイス・ロマンド管と契約更改、任期を2026年まで延長

  11. 訃報 〓 ディナ・ウゴルスカヤ(46)旧ソ連出身のドイツのピアニスト

  12. ベルリン発 〓 ベルリン・フィルのメンバーに初のトルコ人

  13. トリノ発 〓 RAI国立交響楽団の首席客演指揮者にロバート・トレヴィーノ

  14. ロンドン発 〓 ロンドン・フィルの次期首席指揮者にエドワード・ガードナー

  15. 訃報 〓 ウィリー・バーマン(80)米国のダンス教師

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。