訃報 〓 クラウディオ・デズデーリ(75)イタリアのバリトン歌手

2018/07/02
【最終更新日】2023/02/06

イタリアのバリトン歌手クラウディオ・デズデーリ(Claudio Desderi)が6月30日、フィレンツェで亡くなった。75歳だった。父親は作曲家のエットーレ・デズデーリ(Ettore Desderi, 1892 – 1974)。

1969年、エジンバラ国際フェスティバルのロッシーニ《ブルスキーノ氏》ガウンデンツィオ役でオペラ・デビュー。モンテヴェルディからノーノまで幅広いレパートリーを持ち、モーツァルト、ロッシーニなどのオペラ・ブッファ作品で味のある演技、歌唱を聴かせた。ザルツブルク、プロムス、グラインドボーンなど、音楽祭への出演も多い。

その後、ピサのヴェルディ劇場の芸術監督(1991 – 1998)、トリノの「テアトロ・レッジョ」の芸術監督(1999 – 2001)を歴任。名伯楽としても知られ、ローマのサンタ・チェチーリア音楽院、ヴェルビエ音楽祭などで後進の指導に当たっていた。

スカラ座デビューは1973年。クラウディオ・アバド、リッカルド・ムーティといったイタリアの巨匠との共演も多い。アバドとは、1981年のスカラ座の《チェネレントラ》の映像が残っている。

また、ムーティとは、2006年のラヴェンナ音楽祭の《ドン・パスクワーレ》、スカラ座の1987年の《ドン・ジョヴァンニ》、1989年の《コジ・ファン・トゥッテ》がある。《フィガロの結婚》はベルナルト・ハイティンク指揮の1987年のグラインドボーン音楽祭の映像が残されている。

また、2012年の「恋するふたりの文学講座」、2014年の「ラスト・ウィークエンド」など、映画にも彼の歌が使われている。

写真:Conservatorio di Musica Antonio Buzzolla


関連記事

  1. エバンストン発 〓 2021年の「ゲオルグ・ショルティ指揮者アワード」はジェンマ・ニューに

  2. 東京発 〓 第31回「高松宮殿下記念世界文化賞」音楽部門はアンネ=ゾフィー・ムター

  3. ハンブルグ発 〓 ハンブルグ市がメルケル首相をテーマにしたオペラを制作

  4. ケルン発 〓 指揮者のフランソワ=グザヴィエ・ロトがケルン市との契約を延長

  5. ハノイ発 〓 ベトナムを代表するオペラ歌手、義兄に刺殺される

  6. 訃報 〓 ゲオルク・シュメーエ(81)ドイツの指揮者

  7. 訃報 〓 ピーター・ブルック(97)英国の演出家

  8. ロンドン発 〓 ロンドン・フィルの次期首席指揮者にエドワード・ガードナー

  9. ベルリン発 〓 コーミッシェ・オーパーが2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表

  10. シカゴ発 〓 ラヴィニア音楽祭が中止を発表

  11. ドレスデン発 〓 マレク・ヤノフスキがコンサート形式による新しい“リング・チクルス”、手兵のドレスデン・フィルと

  12. 広島発 〓 広島響の次期音楽監督にクリスティアン・アルミンク

  13. ハノーファー発 〓 第11回「ヨーゼフ・ヨアヒム国際ヴァイオリン・コンクール」は米国のマリア・ユデニッチが優勝

  14. パリ発 〓 「France Musique」が年末年始、パリ国立オペラによるワーグナー《ニーベルングの指環》4部作をストリーミング配信

  15. タンペレ発 〓 サントゥ=マティアス・ロウヴァリが2022/2023でタンペレ・フィルの芸術監督兼首席指揮者を退任

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。