ハノーファー発 〓 第11回「ヨーゼフ・ヨアヒム国際ヴァイオリン・コンクール」は米国のマリア・ユデニッチが優勝

2021/10/11

ドイツ・ハノーファーで行われていた第11回「ヨーゼフ・ヨアヒム国際ヴァイオリン・コンクール=Internationaler Joseph Joachim Violinwettbewerb, Hannover」で、米国のマリア・ユデニッチ(Maria Ioudenitch)が優勝した。入賞は日本の吉田南、ドイツのキアラ・サニカンドロ、スペインのハビエル・コメサーニャの3人。

ユデニッチはロシア生まれの25歳。父親はピアニストのスタニスラフ・ユデニッチで、3歳で米国カンザス・シティに移住、その後、カーティス音楽院、ニュー・イングランド音楽院で学んだ。3万ユーロの賞金以外に加え、20を超えるドイツのオーケストラとの共演、ワーナー・クラシックスからのアルバム・デビューの機会が与えられる。

吉田は奈良県出身の23才。桐朋女子高校音楽科を首席卒業後、渡米。ボストンのニューイングランド音楽院在学中。同時に東京音楽大学アーティストディプロマコースに特別特待奨学生として学んでいる。日本音楽財団が貸与した1716年製ストラディヴァリウス「ブース」を2021年8月から使用中。

コンクールは3年に1度の開催で、ニーダー・ザクセン財団がハノーファーゆかりのヨーゼフ・ヨアヒム(1831-1907)を記念して1991年に創設したもの。ヨアヒムは指揮者、作曲家としても活躍した往年のヴァイオリニストで、ブラームスのヴァイオリン協奏曲の初演したことでも知られる。

写真:Joseph Joachim International Violin Competition Hanover / Stiftung Niedersachsen / Helge Krückeberg


    もっと詳しく ▷


関連記事

  1. リューベック発 〓 フルートのカラパノスに今年の「レナード・バーンスタイン賞」、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭

  2. マドリッド発 〓 テアトロ・レアルが新制作のプッチーニ《トスカ》をストリーミング配信

  3. リエージュ発 〓 ベルギーのワロン王立オペラが2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表

  4. リスボン発 〓 ピアノのピレシュが引退宣言

  5. ウィーン発 〓 話題の《ピーター・グライムズ》で国立歌劇場合唱団に19人の陽性反応、あわや上演中止の危機に

  6. ニューヨーク発 〓 ニューヨーク・フィルが今シーズンの公演をすべてキャンセル

  7. 訃報 〓 ビリー・ゴールデンバーグ(84)米国の作曲家

  8. ケープタウン発 〓 若手歌手のための「オペラリア」、2023年は南アフリカのケープタウンで開催

  9. パリ発 〓 パリ国立オペラのトップ交代は9月に前倒し

  10. サンティアゴ・デ・コンポステーラ発 〓 ガリシア王立フィルハーモニーの次期芸術監督にバルドゥア・ブレニマン

  11. ボストン発 〓 アンドリス・ネルソンスが1月、手兵のボストン響と2週間でベートーヴェン交響曲全曲演奏

  12. ボゴタ発 〓 ボゴタ・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督にスウェーデンのヨアキム・グスタフソン

  13. ニューヨーク発 〓 リンカーンセンターが2021年春のシーズンをキャンセル

  14. 東京発 〓 第31回「芥川也寸志サントリー作曲賞」に桑原ゆう《タイム・アビス〜17人の奏者による2群のアンサンブルのための》

  15. ミュンヘン発 〓 パーヴォル・ブレスリクにバイエルン州から「宮廷歌手」の称号

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。