訃報 〓 シュテファン・ショルテス(73)ハンガリー出身の指揮者

2022/07/23
【最終更新日】2023/02/06

ハンガリー出身で、ドイツ、オーストリアを中心に活躍した指揮者のシュテファン・ショルテス(Stefan Soltesz)が22日、バイエルン州立歌劇場でリヒャルト・シュトラウス《無口な女》を指揮中に倒れ、病院に運ばれたがそのまま亡くなった。73歳だった。オーストリアの市民権を持ち、ベルリンを拠点に活動していた。

ハンガリー北東部の街ニーレジハーザ生まれ。4歳からピアノを始め、1956年のハンガリー動乱でウィーンに移住、ウィーン少年合唱団のメンバーとして活動した。長じて、ウィーン音楽院でピアノ、指揮、作曲を学び、1971年にアン・デア・ウィーン劇場で指揮者としてデビューした。

その後、1973年から1983年にかけてウィーン国立歌劇場のコレペティートルを務め、その間にザルツブルク音楽祭でカール・ベーム、クリストフ・フォン・ドホナーニやヘルベルト・フォン・カラヤンらの助手を務めて研鑽を積んだ。また、同時にグラーツ歌劇場の客演指揮者としても活動した。

1988年にはドイツ北西部の街ブラウンシュヴァイクの州立劇場の音楽総監督に就任。その後、ベルギーのアントワープとゲントを拠点とするフランダース・オペラ首席指揮者を経て、1997年からエッセン州立アアルト劇場の総監督・音楽監督を歴任した(-2013)。その間も、ハンブルク州立オペラ(1983-1985)、ベルリン・ドイツ・オペラ(1985-1997)の指揮者陣に加わり、出演を重ねている。

バイエルン州立歌劇場で公演中に倒れて亡くなるのはショルテスで4人目という。
 ・フェリックス・モットル/1911年6月21日、《トリスタンとイゾルデ》指揮中に心臓発作で倒れ、10日後に死去(54歳)
 ・ヨーゼフ・カイルベルト/1968年7月20日、《トリスタンとイゾルデ》指揮中に死去(60歳)
 ・ジュゼッペ・パターネ/1989年5月29日、《セビリアの理髪師》指揮中に心臓発作を起こし、その日の夜に死去(58歳)


写真:Jonas Holthaus


関連記事

  1. サンクト・ペテルブルク発 〓 ネトレプコ、「白夜の星音楽祭」に出演

  2. 訃報 〓 ルイ・アンドリーセン(82)オランダの作曲家

  3. フランクフルト発 〓 ドイツの歌劇場再開は6月以降

  4. ウィーン発 〓 国立歌劇場が《トリスタンとイゾルデ》の27日の公演をライブ・ストリーミング

  5. トリノ発 〓 王立劇場が2025/2026シーズンの公演ラインナップを発表

  6. 訃報 〓 ルース・ファルコン(77)アメリカのソプラノ歌手

  7. ベルリン発 〓 市の文化予算削減でコンツェルトハウスが新しい音楽祭を中止

  8. ザルツブルク発 〓 ハイティンクがウィーン・フィルの名誉会員に

  9. アントワープ発 〓 アントワープ響の首席指揮者エリム・チャンが2023/2024シーズンをもって退任

  10. ミラノ発 〓 クリスティアン・ティーレマンが代役で久々にスカラ・フィルの指揮台に

  11. ロサンゼルス発 〓 ボチェッリのコンサート映画『アンドレア・ボチェッリ30 – ザ・セレブレーション』が完成

  12. ミラノ発 〓 スカラ座の次期音楽監督にミョンフン・チョン

  13. 東京発 〓 日本音楽財団がマリア・ドゥエニャスに1710年製ストラディバリウス「カンポセリーチェ」を貸与

  14. パリ発 〓 五輪開会式はクリスティアン・マチェラルがフランス国立管を指揮

  15. クリーブランド発 〓 米国のクリーブランド管が音楽監督のフランツ・ウェルザー=メストに率いられて8月末から9月上旬にかけてヨーロッパ・ツアー

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。