トリノ発 〓 テアトロ・レッジョのトップ3が相次いで辞任

2018/04/28
【最終更新日】2020/07/15

トリノのテアトロ・レッジョ(トリノ王立歌劇場)で幹部が次々に辞任、機能不全に陥っている。26日には、2007年から首席指揮者を務めていたジャナンドレア・ノセダ(Gianandrea Noseda)の辞任が明らかになった。辞任はインテンダントのワルター・ヴェルニャーノ(Walter Vergnano)、芸術監督のガストン・ フルニエ=ファシオ(GastónFournier-Facio)に次いで3人目で、これで劇場のトップ3がすべて去ることになった。

3人の辞任は、インテンダントを交代させることを決めた、キアラ・アペンディーノ市長による人事への反発。市長は一昨年の市長選に「五つ星運動」の有力女性候補として出馬、当選した。「五つ星運動」は人気コメディアンのベッペ・グリッロが党首を務める政党。7年前に設立され、反体制的なポピュリズム政党として、緊縮財政を求めるEUに反発、勢力を伸ばしてきた。

アペンディーノ市長は当選後、グリッロの友人として知られる演出家のジャンカルロ・デル・モナコをインテンダントに就任させようと動き、ヴェルニャーノがそれに反発。フルニエ=ファシオもヴェルニャーノと一緒に辞任した。それを受けて市長はデル・モナコに代えて米国ボルチモア・オペラの幹部だったウィリアム・グラツィオージを招聘することにしたが、最後まで残っていたノセダがこの人選に失望、辞任を決めた。

関連記事

  1. マプト発 〓 女性オーボエ奏者がモザンビークの文化観光大臣に

  2. ミラノ発 〓 スカラ座総裁にウィーン国立歌劇場総裁のドミニク・マイヤー

  3. リガ発 〓 指揮者のカレル・マーク・チチョンがラトビア国籍を取得

  4. エアフルト発 〓 指揮者のアレクサンダー・プライアーが着任したばかりの市立劇場の音楽総監督を退任

  5. ロンドン発 〓 イングリッシュ・ナショナル・オペラが5年かけ、新しい《ニーベルングの指環》

  6. 青島発 〓 メニューイン音楽学校が青島に中国校

  7. ウィーン発 〓 国立歌劇場が新制作の《椿姫》をストリーミング配信

  8. 香港発 〓 香港シンフォニエッタの音楽監督にクリストフ・ポッペン、イップ・ウィンシーの後任

  9. ザルツブルク発 〓 ザルツブルク復活祭音楽祭が過去の公演をストリーミング配信

  10. モントリオール発 〓 モントリオール響が空港の駐車場でコンサート

  11. マグデブルク発 〓 マグデブルク劇場の次期音楽総監督にアンナ・スクリレーワ

  12. 訃報 〓 ペーター・シュライアー(84)ドイツのテノール歌手

  13. ストックホルム発 〓 ノーベル賞コンサートの指揮はマンフレート・ホーネック、ディアナ・ダムラウが出演

  14. ローザンヌ発 〓 ヴァイオリニストのルノー・カプソンがローザンヌ室内管の次期芸術監督に

  15. 訃報 〓 マイケル・トゥリー(84)米国のヴィオラ奏者

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。