マーラーの交響曲第2番《復活》の自筆譜が先週、クリーブランド管弦楽団(Cleveland Orchestra)に寄贈された。寄贈したのは、オーストリアの実業家ハーバート・クライバー博士。それを記念して、オーケストラは105年目のシーズンの開幕を飾る9月29日と30日の演奏会で、音楽監督のフランツ・ウェルザー=メストの指揮で交響曲第2番を取り上げる。
自筆譜はかつて、実業家として成功した後、《復活》を指揮することを夢見てゲオルグ・ショルティらに師事、その後、《復活》だけを専門に指揮する指揮者として活動したギルバート・キャプランが所有していたもの。キャプランは生前、複製譜も出版。2016年に亡くなった後、サザビーズのオークションで匿名で落札されていた。
寄贈したクライバー博士は、クリーブランド管弦楽団の国際評議員、ヨーロッパ諮問委員会の議長、メトロポリタン歌劇場の諮問理事を務める人物。寄贈に当たり、「自筆譜を入手したとき、私は一時的な管理人として、この素晴らしい文書の永久保存先を見つける責任があるとわかっていた。近年、クリーブランド管弦楽団との素晴らしいコンサート経験が私を動かし、この偉大な文書に素晴らしい住処を提供することになった」と語っている。
オーケストラはコンサートに先立ち、28日に本拠地のセヴェランス・ホールで自筆譜を無料で公開する他、「クリーブランド美術館と共同で保存し、研究者に提供すると同時に、将来的には一般公開する」としている。
写真:Cleveland Orchestra
クリーブランド発 〓 オーストリアの実業家がマーラーの交響曲第2番《復活》の自筆譜をクリーブランド管に寄贈
2022/09/28
【最終更新日】2022/09/29
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