ドレスデン発 〓 マレク・ヤノフスキがコンサート形式による新しい“リング・チクルス”、手兵のドレスデン・フィルと

2022/02/26

ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団(Dresdner Philharmonie)が24日、2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表した。その中で、コンサート形式によるワーグナーの楽劇《ニーベルングの指環》4部作の通し上演の計画を明らかにした。昨シーズン2019/2020シーズンから二度目の首席指揮者を務めるマレク・ヤノフスキ(Marek Janowski)が指揮する。

4部作の通し上演が行われるのは、2022年9月30日から10月15日。ヤノフスキがオーケストラの本拠地である文化宮殿で4部作の通し上演に獲り組むのは2回目となる。

前回は彼が40代だった1980年代初頭のことで、その時はドレスデン・シュターツカペレ(ザクセン州立歌劇場管弦楽团)を指揮している。演奏会と並行して全曲初のデジタル録音も行われ、ヤノフスキのワーグナー指揮者としての名声を確立することにもなった。

ただ、録音は聖ルカ教会で行われて話題を集めたが、ヤノフスキは演奏会が行われた文化宮殿の音響に不満で、長年リベンジを考えていたという。その文化宮殿は2017年に大改装工事を終了、そこで再び通し上演が企画された。

ところが、今度はコロナ禍が直撃。そのため、2021/2022シーズンで退任する予定だったヤノフスキはオーケストラとの契約を1年延長して実現に漕ぎ着けたという。

ヤノフスキは1939年、ワルシャワ生まれの83歳。父親がポーランド人、母親はドイツ人。フライブルクやドルトムントの歌劇場で音楽監督を務めた後、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団(1984-2000)、モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団(2000-2005)、ベルリン放送交響楽団(2002-2015)、スイス・ロマンド管弦楽団(2005-2012)などの音楽監督や首席指揮者を歴任してきた。

ワーグナーのオペラ、楽劇についてヤノフスキは、2010年から2013年にかけてベルリン放送交響楽団とフィルハーモニーを会場に行った演奏会形式による上演で、《ニーベルングの指環》を含む主要11作品を取り上げ、それをライブ録音を行い、アルバムもリリースされている。

写真:Dresdner Philharmonie / Markenfotografie


    もっと詳しく ▷


関連記事

  1. 訃報 〓 ニコラ・ジョエル(67)フランスの演出家、パリ国立オペラ元総裁

  2. クレモナ発 〓 ヴァイオリニストの横山令奈が地元の病院の屋上で世界に癒やしの調べ

  3. サリー発 〓 英国のグランジ・パーク・オペラが音楽祭の開催を断念、夏の音楽祭で初

  4. 訃報 〓 ペーター・スヴェンソン(57)ドイツのテノール歌手

  5. ウィーン発 〓 ティーレマン、2024年からスカラ座の《ニーベルングの指環》を指揮

  6. ブリュッセル発 〓 大野和士がブリュッセル・フィルの次期音楽監督に

  7. ミラノ発 〓 スカラ座も閉鎖、新型コロナウイルスの感染拡大で

  8. シアトル発 〓 トマス・ダウスゴーがシアトル響の音楽監督を突然辞任

  9. ウィーン発 〓 国立歌劇場が代役を確保できず、アリベルト・ライマンの《メデア》の再演を断念

  10. ロンドン発 〓 「グラモフォン賞」に新設された「オーケストラ・オブ・ザ・イヤー」にシアトル交響楽団

  11. シドニー発 〓 シドニー響が首席指揮者のシモーネ・ヤングとの契約を延長

  12. 訃報 〓 ネッロ・サンティ(88)イタリアの指揮者

  13. ジュネーブ発 〓 ジュネーブ大劇場が2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表

  14. 訃報 〓 ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(87)ロシアの指揮者

  15. リエージュ発 〓 指揮者のスペランツァ・スカップッチがワロン王立オペラの音楽監督を退任

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。