ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場が2019/2020シーズンの上演ラインナップを発表

2019/02/22

メトロポリタン歌劇場(Metropolitan Opera)が2019/2020シーズンの上演ラインナップを発表した。開幕はガーシュイン《ポーギーとベス》。新演出を手掛けるのはジェームス・ロビンソン。ポーギー役はエリック・オーウェンズとケヴィン・ショート、ベス役はエンジェル・ブルーとエリザベス・ルウェリンのダブル・キャスト。指揮はデイヴィッド・ロバートソン。新制作はそれを含めて5演目。フィリップ・グラスの《アクナーテン》、ワーグナー《さまよえるオランダ人》、ベルク《ヴォツェック》、ヘンデル《アグリッピーナ》。演出はそれぞれ、フェリム・マクダーモット、フランソワ・ジラール、ウィリアム・ケントリッジ、デイヴィッド・マクヴィカー。

音楽監督のヤニック・ネゼ=セガンが指揮するのは、《トゥーランドット》、《ウエルテル》、《ヴォツェック》の3演目。客演する指揮者の中では、サイモン・ラトルがリヒャルト・シュトラウス《薔薇の騎士》を指揮するのが話題。オクタビアン役を夫人のマグダレーナ・コジェナーが演じる。その《薔薇の騎士》でカミッラ・ニールンドが劇場デビューする他、マイケル・スパイレスが《ファウストの劫罰》で、ブレンダ・ラエが《アグリッピーナ》で、パヴェル・チェルノフが《カーチャ・カバノヴァー》で、ジャネイ・ブリッジスが《アクナーテン》で、アンドレア・カレが《蝶々夫人》でそれぞれ劇場デビューする。

コジェナーの他、ブリン・ターフェルが《さまよえるオランダ人》で、アナ・マリア・マルティネスが《蝶々夫人》で、カルロス・アルバレスが《ラ・ボエーム》と《シモン・ボッカネグラ》で久々にステージに立つ。《さまよえるオランダ人》には藤村美穂子が出演、指揮はゲルギエフ。また、プラシド・ドミンゴが《蝶々夫人》で初めてシャープレス役に挑戦するのも話題。プラシド・ドミンゴはピンカートン役以外に若い頃にメキシコでゴロー役を歌ったことがあり、《蝶々夫人》では3つめの役になるという。

オペラ上演とは別に、2019年の大晦日には、アンナ・ネトレプコがプッチーニ作品のヒロインを歌う特別ガラ・コンサートが行われる。3部構成で、プッチーニ《ラ・ボエーム》のミミ、《トスカ》のトスカ、《トゥーランドット》のリューを歌う。夫君のユシフ・エイヴァゾフがカラフ、カヴァラドッシで共演。マシュー・ポレンザーニがロドルフォ、クイン・ケルシーがマルチェッロ、エフゲニー・ニキティンがスカルピアで出演する。指揮はヤニック・ネゼ=セガン。年が明けて3月29日には、ディアナ・ダムラウのリサイタルも。アントニオ・パッパーノがピアノ伴奏を務め、ロッシーニ、ビゼー、ワーグナー、リヒャルト・シュトラウス、ベルクを取り上げる。

ガーシュイン《ポーギーとベス》= 新制作
2019年9月23日ー10月16日 / 2020年1月8日ー2月1日
演出:ジェームス・ロビンソン
指揮:デイヴィッド・ロバートソン

マスネ《マノン》
2019年9月24日ー10月26日
演出:ロラン・ペリー
指揮:マウリツィオ・ベニーニ

ヴェルディ《マクベス》
2019年9月25日ー10月12日
演出:エイドリアン・ノーブル
指揮:マルコ・アルミリアート

プッチーニ《トゥーランドット》
2019年10月3日ー10月31日 / 2020年4月9日ー4月25日
演出:フランコ・ゼフィレッリ
指揮:ヤニック・ネゼ=セガン / マルコ・アルミリアート / カルロ・リッツィ

プッチーニ《蝶々夫人》
2019年10月11日ー11月25日 / 2020年4月1日ー4月11日
演出:アンソニー・ミンゲラ
指揮:ピエール・ジョルジョ・モランディ

グルック《オルフェオとエウリディーチェ》
2019年10月20日ー11月10日
演出:マーク・モリス
指揮:マーク・ウィッグルスワース

プッチーニ《ラ・ボエーム》
2019年10月25日-11月21日 / 2020年1月9日ー25日 / 2020年4月29日ー5月7日
演出:フランコ・ゼフィレッリ
指揮:エマニュエル・ヴィヨーム

グラス《アクナーテン》= 新制作
2019年11月8日ー12月7日
演出:フェリム・マクダーモット
指揮:カレン・カメンセク

リヒャルト・シュトラウス《薔薇の騎士》
2019年11月13日ー2020年1月4日
演出:ロバート・カーセン
指揮:サイモン・ラトル

モーツァルト《フィガロの結婚》
2019年11月16日ー12月14日 / 2020年2月5日ー2月22日
演出:リチャード・エアー
指揮:アントネッロ・マナコルダ

チャイコフスキー《スペードの女王》
2019年11月29日ー12月21日
演出:エライジャ・モシンスキー
指揮:ヴァシリー・ペトレンコ

モーツァルト《魔笛》
2019年12月15日ー2020年1月4日
演出:ジュリー・テイモア
指揮:ローター・ケーニヒ

ベルク《ヴォツェック》= 新制作
2019年12月27日ー2020年1月22日
演出:ウィリアム・ケントリッジ
指揮:ヤニック・ネゼ=セガン

ヴェルディ《椿姫》
2020年1月10日ー3月19日
演出:マイケル・メイヤー
指揮:カレル・マーク・チチョン / ベルトラン・ド・ビリー

ベルリオーズ《ファウストの劫罰》
2020年1月25日ー2月15日
演出:ロベール・ルパージュ
指揮:エドワード・ガードナー

ヘンデル《アグリッピーナ》= 新制作
2020年2月6日ー3月7日
演出:デイヴィッド・マクヴィカー
指揮:ハリー・ビケット

モーツァルト《コジ・ファン・トゥッテ》
2020年2月15日ー3月14日
演出:フェリム・マクダーモット
指揮:ハリー・ビケット

ワーグナー《さまよえるオランダ人》= 新制作
2020年3月2日ー3月27日
演出:フランソワ・ジラール
指揮:ワレリー・ゲルギエフ

ロッシーニ《チェネレントラ》
2020年3月12日4月3日
演出:チェーザレ・リエヴィ
指揮:ジェームズ・ガフィガン

マスネ《ウエルテル》
2020年3月16日ー4月4日
演出:リチャード・エアー
指揮:ヤニック・ネゼ=セガン

プッチーニ《トスカ》
2020年3月26日ー4月18日
演出:デイヴィッド・マクヴィカー
指揮:ベルトラン・ド・ビリー

ヴェルディ《シモン・ボッカネグラ》
2020年4月10日ー4月25日
演出:ジャンカルロ・デル・モナコ
指揮:カルロ・リッツィ

ドニゼッティ《マリア・ ストゥアルダ》
2020年4月19日ー5月9日
演出:デイヴィッド・マクヴィカー
指揮:マウリツィオ・ベニーニ

プッチーニ《マノン・レスコー》
2020年4月28日ー5月8日
演出:リチャード・エアー
指揮:リチャード・ファーンズ

ヤナーチェク《カーチャ・カバノヴァー》
2020年5月2日ー5月9日
演出:ジョナサン・ミラー
指揮:ローター・ケーニヒ

写真:Metropolitan Opera


    もっと詳しく ▷


関連記事

  1. レノックス発 〓 ボストン交響楽団がシャルル・デュトワに贈った「クーセヴィツキー賞」を取り消し

  2. 北京発 〓 ピアノの一斉演奏でギネス記録を更新

  3. ダラス発 〓 ダラス交響楽団の次期音楽監督にファビオ・ルイージ

  4. 横浜発 〓 神奈川県立音楽堂がリニューアル・オープン

  5. バイロイト音楽祭 〓 ロベルト・アラーニャの代役にピョートル・ベチャワ

  6. ローマ発 〓 映画音楽の大御所モリコーネが引退?

  7. 訃報 〓 ジョージ・ナイクルグ(100)米国のチェロ奏者

  8. ローマ発 〓 18歳から25歳限定で2ユーロのオペラ鑑賞チケット発売

  9. ベルリン発 〓 ベルリン・ドイツ・オペラが2019/2020シーズンの公演ラインナップを発表した。

  10. サンパウロ発 〓 サンパウロ交響楽団の次期音楽監督にティエリー・フィッシャー

  11. ハンブルク発 〓 州立歌劇場が2019/2020シーズンの上演ラインナップを発表

  12. 金沢発 〓 オーケストラ・アンサンブル金沢の新しい音楽監督にミンコフスキ

  13. ウィーン発 〓 ウィーン放送交響楽団が首席指揮者にマリン・オールソップ

  14. アムステルダム発 〓 ホルンのケイティ・ウーリーがロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席奏者に

  15. 東京発 〓 東京フィルが次シーズンの定期演奏会ラインナップを発表

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。