ワシントン発 〓 ワシントン・ナショナル・オペラが「ケネディ・センター」を提訴、26億円を超える寄付金の返還を求めて

2026/06/13

ワシントン・ナショナル・オペラ(Washington National Opera)が6月11日、古巣のケネディ・センター(Kennedy Center)に対して、1,700万ドル(約26億3,500万円)を超える寄付金の返還を求める訴訟を起こした。オペラは2026年1月、センターの新執行部から一方的に専属契約を切られた立場。オペラ側は寄付金はオペラに帰属するものと主張している。

12日に発表された声明によると、オペラ側は数ヶ月にわたり、寄付金の返還、同時にそれらの資産に関する基本的な会計報告について、センターに繰り返し求めたが無視された」。また、センターが融資を受けるに当たり、その資金を担保にしたことに対して「資金の相当部分を危険に晒した」と主張している。

声明は加えて、「これらの資金は、ワシントン・ナショナル・オペラの使命、公演、アーティスト、教育・地域プログラムの推進を目的として寄付をしてくださった、長年にわたる忠実な支援者の方々からの寄付金です」と声明は述べ、「寄付者の方々の寄付が尊重され、意図されたとおりに使用されることを保証する受託者責任を負っています」。

センターをめぐっては、連邦地裁がこの5月29日、旧「ケネディ・センター」が「トランプ・ケネディ・センター」に名称を変更したことは法律違反にあたると認定、改修工事のため一時閉鎖することを差し止め、すべての表記を元に戻すことを命じた。判決では、6月12日までにレターヘッドや看板、パンフレット、ウェブサイトのページなどの変更を求める判決を出したばかり。

旧称に戻す作業は12日までにほぼ完了、当日には外壁から「Donald Trump」の文字を外す作業が行われているが、「ニューヨーク・タイムズ」紙の報道によると、センターの広報担当者ローマ・ダラヴィはオペラ側の主張を否定、反訴を起こす意向を示したとされ、トランプ政権下で泥沼化の予感。

写真:Washington National Opera


関連記事

  1. ウィーン発 〓 国立歌劇場が2026/2027シーズンの公演ラインナップを発表

  2. ロンドン発 〓 ロンドン・フィルが首席客演指揮者のカリーナ・カネラキスとの契約を延長

  3. ザルツブルク発 〓 復活祭音楽祭が2026年のベルリン・フィル復帰に合わせ、2030年までの長期計画を発表

  4. ベルリン発 〓 バレンボイム入院長引き、5月のウェスト=イースタン・ディヴァン管のツアーの指揮をキャンセル

  5. ベルリン発 〓 ドイツのオペラ雑誌「オペルンヴェルト」が「オブ・ザ・イヤー2024」

  6. ニューヨーク発 〓 ニューヨーク・フィルが今シーズンの公演をすべてキャンセル

  7. ニューヨーク発 〓 アン・アキコ・マイヤースがオルフェウス室内管弦楽団の芸術パートナーに

  8. モスクワ発 〓 チャイコフスキー記念大交響楽団の首席客演指揮者にフェリックス・コロボフ

  9. エバンストン発 〓 2021年の「ゲオルグ・ショルティ指揮者アワード」はジェンマ・ニューに

  10. ウィーン発 〓 国立歌劇場に続いて、ウィーン・フィル主催の舞踏会も中止

  11. 訃報 〓 ハンス・ドレヴァンツ(91)ドイツの指揮者

  12. ペルチャッハ発 〓 ブラームス国際コンクールの室内楽部門で、チェロの三井静とピアノの大淵真悠子が組んだ「Duo Minerva」が第2位

  13. ロンドン発 〓 英国政府がライブ・イベントの再開を急きょ延期

  14. ブレーメン発 〓 バレンボイム、久方ぶりに指揮台に復帰

  15. アトランタ発 〓 ナタリー・シュトゥッツマンがアトランタ響の音楽監督に

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。