チェコを代表するコロラトゥーラ・ソプラノ、ヘレナ・タッテルムスホヴァー(Helena Tattermuschová)が7月6日に亡くなった。92歳だった。国立劇場のメンバーとして35年にわたって活躍、海外公演にも数多く参加、後進の指導にも尽力した。
1933年、プラハ生まれ。幼い頃から合唱団で活動、その後、プラハ音楽院で学び、在学中はカレル大学芸術アンサンブルにも参加した。1953年にスメタナの《キス》のバルチェ役を歌ってオペラの初舞台を踏み、1954年にオストラヴァ国立劇場にソリストとして入団。その年の「プラハの春」音楽祭コンクール部門で第2位を獲得、2年してプラハ国立劇場に移籍した。
確かな技術に裏付けられた歌唱に加え、演技派として高く評価され、モーツァルトの《フィガロの結婚》のスザンナ、《魔笛》のパパゲーナ、ロッシーニ《セビリアの理髪師》のロジーナ、ヴェルディ《リゴレット》のジルダなどの役柄などで高く評価され、チェコ・オペラの諸役など30を超える役柄を歌っている。
ラジオやテレビも多く、退団後は母校のプラハ音楽院で後進の指導に当たり、2012年には生涯にわたる芸術的業績を称えるタリア賞を受賞。2023年には国立劇場の殿堂入りしている。
写真:Národní divadlo
訃報 〓 ヘレナ・タッテルムスホヴァー(92)チェコのソプラノ歌手
2025/07/08
- コメント: 0


この記事へのコメントはありません。