戦後日本を代表する作曲家の一人、間宮芳生(Michio Mamiya)が11日、肺炎で亡くなった。95歳だった。1974年のザルツブルク音楽で作曲賞を獲得したオペラ《鳴神=なるかみ》をはじめ、アニメ映画「火垂るの墓」、NHK大河ドラマ「竜馬がゆく」の音楽など幅広いジャンルで活躍した。
北海道旭川市生まれの青森育ち。当時の東京音楽学校(現在の東京藝術大学音楽学部)作曲科に入学して池内友次郎に師事。卒業後の1953年、外山雄三、林光と作曲家グループ「山羊の会」を結成した。前衛的作風で国際的名声を得た後、アフリカ、北欧などの民族音楽やジャズのエッセンスを取り込み、独自の世界を開拓した。
また、日本の民謡を丹念に調べ、囃子詞(はやしことば)を素材にした「合唱のためのコンポジション」シリーズ17作、24曲からなる独唱とピアノのための「日本民謡集」などを作曲。管弦楽作品や弦楽四重奏曲などの室内楽作品まで精力的な作曲活動を続けた。
2019年には1965年作曲のオペラ《ニホンザル・スキトオリメ》が53年ぶりに再演され、大きな話題を呼んだ。脳梗塞から2004年に“左手のピアニスト”として復帰した舘野泉に作品を委嘱され、《風のしるし・オッフェルトリウム》というピアノ曲を書いている。
1995年の静岡音楽館AOIの開館から初代芸術監督を10年間務め、1992年に紫綬褒章、1999年に勲四等旭日小綬章を受賞している。
写真:Orchestra Nipponica / Shinji Takehara
訃報 〓 間宮芳生(95)日本の作曲家
2024/12/14
- コメント: 0
この記事へのコメントはありません。