モスクワ発 〓 スヴェトラーノフ記念ロシア国立響の芸術監督に39歳のフィリップ・チシェフスキー

2024/08/30

ロシアの首都モスクワを本拠地とするスヴェトラーノフ記念ロシア国立交響楽団が芸術監督にフィリップ・チシェフスキー(Philip Chizhevsky)を迎えると発表した。2021年に芸術監督に就任したばかりのヴァシリー・ペトレンコがロシアのウクライナ侵略をめぐって2022年に退任してから空席になっていた。

国立響は1936年に設立された団体で、ソビエト連邦時代はソビエト国立交響楽団と呼ばれていた。初代の芸術監督はアレクサンドル・ガウクで、1965年から2000年にかけて名指揮者エフゲニー・スヴェトラーノフの薫陶を受け、骨太の音楽を聴かせるソビエトを代表するオーケストラとして名を馳せ、2006年から彼の名前を戴いている。その後、ワシーリー・シナイスキー(2000ー2002)、マーク・ゴレンシュタイン(2002ー2011)、ウラディーミル・ユロフスキ(2011ー2021)が首席指揮者を務めてきた。

チシェフスキーはモスクワ生まれの39歳。モスクワ音楽院で学んだ後、2008年の「全ロシア指揮者コンクール」で優勝、その年、「クエスタ・ムジカ・アンサンブル」を結成し、グネーシン音楽大学芸術監督兼合唱団指揮者・指揮科講師に就任した。2014年には、ボリショイ劇場の第1回「バロック・フェスティバル」の音楽監督を務め、その後、ロシアのオペラ、オーケストラを幅広く指揮してしている。

写真:meloman.ru


関連記事

  1. ロッテルダム発 〓 音楽メッセ「クラシカル・ネクスト」が中止を発表

  2. ロンドン発 〓 アンドルー・ロイド・ウェバーの新作ミュージカル《シンデレラ 》の開幕を延期

  3. ローザンヌ発 〓 ヴァイオリニストのルノー・カプソンがローザンヌ室内管の次期芸術監督に

  4. アムステルダム発 〓 オランダ国立オペラ・バレエがツェムリンスキー《こびと》をライブ・ストリーム

  5. ロンドン発 〓 「グラモフォン・アワード2019」の年間賞など発表

  6. エーテボリ発 〓 ソプラノのバーバラ・ハンニガンがエーテボリ響の首席客演指揮者を続投

  7. ウィーン発 〓 話題の《ピーター・グライムズ》で国立歌劇場合唱団に19人の陽性反応、あわや上演中止の危機に

  8. ローマ発 〓 ローマ歌劇場が「カラカラ浴場」での公演を再開、2022年の夏から

  9. ロサンゼルス発 〓 ロサンゼルス・オペラの音楽監督にドミンゴ・インドヤン、ジェームズ・コンロンの後任

  10. プラハ発 〓 セミヨン・ビシュコフがチェコ・フィルの音楽監督を2028年に退任する意向

  11. 訃報 〓 ネッド・ローレム(99)米国の作曲家

  12. シドニー発 〓 アンドレア・バッティストーニがオペラ・オーストラリアの音楽監督に

  13. ロンドン発 〓 作曲家の久石譲がロイヤル・フィルの「コンポーザー・イン・アソシエーション」に

  14. 訃報 〓 ビセルカ・ツヴェイチ(97)セルビアのメゾ・ソプラノ歌手

  15. プラハ発 〓 チェコ・フィルが昨年秋以来初の“聴衆あり”コンサート

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。