ニューヨーク発 〓 ニューヨーク・フィルがトゥガン・ソヒエフの出演をキャンセル

2022/03/19

ニューヨーク・フィルハーモニックがロシアの指揮者トゥガン・ソヒエフ(Tugan Sokhiev)の出演をキャンセルした。ソヒエフは3月31日から4月2日に指揮台に立つ予定だった。声明では、「現在の世界情勢を考慮し、(降板は)ソヒエフ氏との話し合いの結果」という。同時に「来シーズン彼を迎えることをとても楽しみにしています」と述べている。

ソヒエフは6日、フランス・トゥールーズ市長から、ロシアのウクライナ侵略をめぐり、プーチン政権との距離を明確にするコメントを発表するよう求められたが、それを行わず、トゥールーズ・キャピトル管弦楽団、ボリショイ劇場の音楽監督を即時辞任した。

ソヒエフの代役に起用されるのは、アンナ・ラキティナ(Anna Rakitina)。中国・上海出身のピアニスト张昊辰(チャン・ハオチェン)をソリストに迎えるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、プロコフィエフの交響曲第5番といったプログラムを指揮する。

ラキティナはモスクワ出身の32歳。モスクワのチャイコフスキー音楽院を経て、ハンブルク音楽演劇大学で学び、ベルナルト・ハイティンク、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー、ウラディーミル・ユロフスキらに師事、2018年のニコライ・マルコ国際青年指揮者コンクールで第2位を獲得している。

写真: Marco Borggreve


関連記事

  1. ヘルシンキ発 〓 スザンナ・マルッキがヘルシンキ・フィルの首席指揮者退任へ

  2. トゥールーズ発 〓 トゥガン・ソヒエフがキャピトル国立管との契約を延長

  3. オーフス発 〓 デンマークのオーフス響首席指揮者にベラルーシの俊英ドミトリー・マトヴィエンコ

  4. ベルリン発 〓 ドナルド・ラニクルスがベルリン・ドイツ・オペラの音楽総監督退任へ

  5. ウィーン発 〓 国立歌劇場、2月第2週のストリーミング配信のラインナップを発表、あの《フィガロの結婚》も

  6. リスボン発 〓 グルベキアン管の音楽監督にハンヌ・リントゥ、ロレンツォ・ヴィオッティの後任

  7. 訃報 〓 ディミトリー・スミルノフ(71)旧ソ連出身の作曲家

  8. ストラスブール発 〓 初演200年を迎えた《第九》を、「Arte」が4都市4オーケストラの映像を繋いで放送

  9. ロンドン発 〓 BBC響が首席指揮者のサカリ・オラモとの契約を延長

  10. バルセロナ発 〓 ロメア劇場が新しいロッシーニ・フェスティバル

  11. ロンドン発 〓 ピアノのマレイ・ペライアが復帰、旧知のアカデミー室内管と共演

  12. ライプツィヒ発 〓 ゲヴァントハウス管が2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表、目玉は「マーラー・フェス」

  13. フィレンツェ発 〓 フィレンツェ歌劇場が新制作の《リゴレット》、《コジ・ファン・トゥッテ》をストリーミング配信

  14. ハノーファー発 〓 北ドイツ放送フィルの次期首席指揮者にスタニスラフ・コチャノフスキー

  15. 訃報 〓 ハンス・ドレヴァンツ(91)ドイツの指揮者

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。