「天使の歌声」として知られるオーストリアのウィーン少年合唱団(Wiener Sängerknaben)が2021年の海外ツアーをすべてキャンセルすると発表した。12歳未満の子供に対して新型コロナワクチンの接種が行われないことに鑑みて。5月と6月に予定されていた日本ツアーのキャンセルは既に発表されているが、新たにアメリカとドイツへのクリスマス・ツアーなどがキャンセルされる。
ウィーン少年合唱団は15世紀、ハプスブルク家出身の神聖ローマ帝国の皇帝が宮廷の聖歌隊として創設したもの。500年以上の歴史を誇り、2017年には、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にも登録されている。
政府からの支援を受けない非営利団体で、メンバーはオーストリアだけでなく、20の国と地域から集まった変声前の9歳から14歳までの少年100人で構成。ウィーン市内のアウガルテン宮殿にある全寮制の学校で学びながら、4グループに分かれて国内外で年間300公演を行い、その収入が運営費の7割を支えている。
それだけにコロナ禍による被害も甚大。昨年3月以降のすべての公演はキャンセルされ、公演収入は100万ユーロ(約1億2000万円)減となって存続の危機に立たされた。現在は政府の支援を受けて活動も正常化しつつあり、10月には 「Together」というタイトルのアルバムも「ドイツ・グラモフォン」レーベルからリリースされる。
写真:Wiener Sängerknaben / Lukas Beck
ウィーン発 〓 ウィーン少年合唱団が2021年の海外ツアーをすべてキャンセルも、10月にニュー・アルバムをリリース
2021/09/07
【最終更新日】2021/09/08
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