カナダを代表するソプラノ歌手の一人、エリン・ウォール(Erin Wall)が8日、転移性乳がんによる合併症で亡くなった。44歳だった。モーツァルトからリヒャルト・シュトラウスまで幅広いレパートリーを持ち、オペラ、コンサートの第一線で活躍していた。
バンクーバー音楽アカデミー、西ワシントン大学、ライス大学、アスペン音楽祭などで学んで歌手デビュー。2003年のBBCカーディフ国際声楽コンクール(BBC Cardiff Singer of the World)ではファイナリストとなった。
2009年にはメトロポリタン歌劇場にデビュー。その後、国際的に活躍の場を広げ、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場、パリ国立オペラ、バイエルン州立歌劇場などの公演に出演を重ねていた。
マリス・ヤンソンス指揮のドヴォルザーク《スターバト・マーテル》、ダニエル・ハーディング指揮の歌剧《コジ・ファン・トゥッテ》、アンドルー・デイヴィス指揮の歌剧《タイス》など録音も多い。
出演を重ねたカナディアン・オペラ・カンパニーのホームページには、がん治療が2018年1月から始まり、治療を受けながら出演を続けていたことなど、闘病の経過が投稿されている。
写真:erinwall.com / Kristin Hoebermann
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