アムステルダム発 〓 首席指揮者不在のロイヤル・コンセルトヘボウ管で楽団員が投票

2020/01/30

オランダの日刊紙「デ・フォルクスラント=De Volkskrant」が1月29日、空席になっている首席指揮者をめぐり、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(Royal Concertgebouw Orchestra)で楽団員による投票が行われたと報じた。報道によると、投票が行われたのは1月25日。投票の対象になったのは、ワレリー・ゲルギエフ(Valery Gergiev,66)、イヴァン・フィッシャー(Iván Fischer,69)、アンドリス・ネルソンス(Andris Nelsons,41)の3人。投票結果が発表されるかどうか、オーケストラ側からのコメントは出されていない。

同オーケストラでは、2016/2017シーズンから首席指揮者にダニエレ・ガッティ(Daniele Gatti)を迎えたが、2018年に入ってガッティにセクシャル・ハラスメント疑惑が浮上、8月に電撃解任された。後任については、同オーケストラのコンサート・マスターから指揮者に転身し、2018/2019シーズンからニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督を務め、たびたび客演しているヤープ・ファン・ズヴェーデン(Jaap van Zweden,59)が有力とみる向きもあった。

候補に上がった3人はいずれも多忙で知られる面々。マリインスキー劇場の総監督でミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務めるゲルギエフと、ボストン交響楽団の音楽監督でライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席指揮者を務めるネルソンズは、“最も忙しい指揮者”の座を争う存在。フィッシャーは2014年から2015年に掛けて同オーケストラとベートーヴェンの交響曲全集を収録するなど関係は深いが、2008年から自ら創設したブタベスト祝祭管弦楽団を率いている上、あちこちのオーケストラに客演しており、二人に負けず劣らずだ。

写真:Philharmonie Luxembourg / Sébastien Grébille

関連記事

  1. サヴォンリンナ発 〓 フィンランド政府が500人を超えるイベントを禁止、サヴォンリンナ・オペラ・フェスティバルは中止に

  2. クリーブランド発 〓 オーストリアの実業家がマーラーの交響曲第2番《復活》の自筆譜をクリーブランド管に寄贈

  3. 訃報 〓 エドゥアルド・アルテミエフ(86)ロシアの作曲家

  4. 訃報 〓 ミハイル・ユロフスキ(76)ロシアの指揮者

  5. 大津発 〓 沼尻竜典が2023年で「びわ湖ホール」芸術監督を退任、バトンは阪哲朗に

  6. フライブルク発 〓 2021年の「ドイツ音楽コンクール」の受賞者決まる

  7. ワシントン発 〓 ヴァイオリニストの五嶋みどりにケネディ・センター名誉賞

  8. 東京発 〓 第34回「高松宮殿下記念世界文化賞」の音楽部門に米国のトランペッター、ウィントン・マルサリス

  9. ミュンヘン発 〓 バイエルン州立オペラが12日まで公演をキャンセル、新型コロナウイルスの感染再拡大で

  10. ブカレスト発 〓 国立歌劇場のスタッフが新型コロナウイルスに感染、当面の公演をキャンセル

  11. ブリュッセル発 〓 モネ劇場が新制作の《ねじの回転》をストリーミング配信

  12. リンツ発 〓 マルクス・ポシュナーがブルックナー管の首席指揮者を2026/2027シーズンで退任

  13. トロント発 〓 トロント響がアンドルー・デイヴィスにサプライズ・プレゼント

  14. カーディフ発 〓 指揮者のトーマス・ハヌスがウェールズ・ナショナル・オペラとの契約を延長

  15. リエージュ発 〓 ワロン王立オペラが新シーズン、2025/2026シーズンの公演ラインナップを発表

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。