ベネチア発 〓 フェニーチェ劇場が《ヴォツェック》の上演を断念。ベアトリーチェ・ヴェネツィの音楽監督就任に抗議するオーケストラ、スタッフのストライキで

2025/10/10
【最終更新日】2025/10/13

イタリア・ベネチアにある名門劇場フェニーチェ劇場(Teatro La Fenice)が《ヴォツェック》の上演を断念すると発表した。ベアトリーチェ・ヴェネツィ(Beatrice Venezi)の音楽監督就任に抗議するオーケストラ、スタッフがストライキの第1弾。

ヴェネツィの起用についてはオーケストラ、スタッフが任命撤回を求める無期限ストライキを予告している上、定期会員140人がオーケストラに連帯する旨の署名を提出しており、2026年10月の就任前にもう一波乱も二波乱もありそう。

ヴェネツィはルッカの生まれの35歳。オーケストラ、定期会員が反対の最大の理由は、他の指揮者に比べて圧倒的に経験が不足している点。オーケストラ側は「指名された音楽監督のプロフェッショナルとしての経歴にのみ起因する」と述べている。

オーケストラ側は声明で「彼女はフェニーチェでオペラや公開の交響楽コンサートを指揮したことは一度もない。彼女の経歴は、これまでこの劇場の音楽監督を務めてきた偉大な指揮者たちの経歴とはまったく比較にならない。主要な国際的なオペラハウスで指揮をしたことはなく、最も重要な国際音楽祭のプログラムにも彼女の名前は登場しない」と指摘。「芸術的品質も国際的威信も保証しない人事のため、長年にわたり、時には大きな困難を乗り越えながら築き上げてきた忠実な観客の信頼を犠牲にするのは容認できない」と厳しい。

定期会員の書簡は「音楽監督にベアトリーチェ・ヴェネージが任命されたとの報に衝撃と懸念を抱いた。この役職には専門知識と経験が求められ、これまで確固たる価値と能力を持つ人物が務めてきた」と述べており、撤回されない場合は署名者は定期会員を辞めることにも言及している。

写真:ANSA / Ciro Fusc


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