サンフランシスコ発 〓 マイケル・ティルソン・トーマスが最後の指揮台に

2025/04/30

脳腫瘍の闘いを続けているマイケル・ティルソン・トーマス(Michael Tilson Thomas)が26日、25年にわたって音楽監督を務めたサンフランシスコ交響楽団が用意した80歳を祝うコンサートを指揮、指揮活動から引退した。現地の報道をまとめると、会場はトーマスのシンボル・カラーの青に染まり、熱狂的な興奮に包まれたという。

この日は来場者用に青いバンダナが客席に配布され、演奏に先立ち、サンフランシスコのダニエル・ルーリー市長がトーマスを前に「マイケル・ティルソン・トーマス・デー」の制定を宣言。来場者は大歓声で応え、バンダナや記念グッズを打ち振って、トーマスのクラシック音楽界への51年間の貢献を称えた。

コンサートは本人の指揮でブリテンの《青少年のための管弦楽入門》で開幕。その後、トーマスが椅子に座って見守る中、弟子のテディ・アブラムスとエドウィン・アウトウォーターが指揮を分担しながら、トーマスの新作編曲作品に加え、トーマスの祖母ベッシー・トーマシェフスキーがニューヨークでの世界初演でタイトルロールを演じたユダヤ語劇の序曲 と、師匠レナード・バーンスタイン作曲の《チチェスター詩篇》のフィナーレが演奏された。

また、コンサートにはメゾ・ソプラノのサーシャ・クックとフレデリカ・フォン・シュターデ、ニューヨーク在住の歌手兼コメディアンのベン・ジョーンズ、ブロードウェイ歌手ジェシカ・ヴォスク、サンフランシスコ響の合唱団も出演。演奏の幕が降りると、青い風船が降り注ぐ中、涙を拭う聴衆の姿も目立ったという。

また、ロビーでは、トーマスがレモン栽培を行っているウェスト・マリンの町にちなんで名付けられた「ボリナス・ブリーズ」というオリジナル・カクテルも提供された。バンダナにはトーマスの「アーティストの人生には2つの重要な時期がある。最初の時期は自分自身を創造すること。2つ目の、より困難な時期は、その道を貫き通すこと」という言葉が入っているという。

写真:San Francisco Symphony


null

null

null


関連記事

  1. 東京発 〓 日本フィルの次期首席指揮者にシンガポール出身のカーチュン・ウォン

  2. ポズナン発 〓 第16回「ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクール」で前田妃奈が優勝

  3. ロサンゼルス発 〓 第65回「グラミー賞」発表

  4. ヘルシンキ発 〓 ハンヌ・リントゥがフィンランド国立オペラ・バレエの首席指揮者を辞任、芸術監督との対立で任期残して

  5. 東京発 〓 細川俊夫の《オーケストラのための『渦』》が第68回「尾高賞」に

  6. ミラノ発 〓 スカラ座が2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表

  7. 訃報 〓 スティーヴン・ソンドハイム(91)アメリカの作曲家・作詞家

  8. ストックホルム発 〓 ロイヤル・ストックホルム・フィルが聴衆なしの3回のコンサートを配信

  9. ケルン発 〓 ケルンWDR響の次期首席指揮者にフランスの女流指揮者マリー・ジャコー

  10. パリ発 〓 終わらない国立オペラのストライキ、新制作の《マノン》の上演も断念

  11. アスペン発 〓 ルネ・フレミングがアスペン音楽祭のオペラ部門の芸術監督に

  12. ザールブリュッケン発 〓 指揮者のインキネンがザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルとの契約を延長

  13. ハンブルク発 〓 ハンブルク・バレエ団がマカオ公演をキャンセル

  14. ロンドン発 〓 ヴァイオリニストのジョシュア・ベルが音楽監督を務めるアカデミー室内管との契約を延長

  15. ロサンゼルス発 〓 ドミンゴがロサンゼルス・オペラの総監督を辞任

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。