[新作オペラ・フラッシュ2018]ザルツブルク音楽祭 〓 サロメ

2018/07/31
【最終更新日】2018/08/01

今年の音楽祭では《魔笛》が最も話題を集めていたが、サロメを演じたアスミク・グリゴリアンの熱唱、存在感が聴衆を圧倒、今年の音楽祭でセンセーショナルな成功を収めた舞台として記憶に残りそう。グリゴリアンは昨年のベルク《ヴォツェック》のマリー役で高い評価を得ていた。同時にウェルザー=メストの精緻な表現力も話題の中心。カステルッチの演出は、フェルゼンライトシューレの岩壁を利用したシンプルな舞台。ただ、首を切られたヨカーナンの死体が椅子に座っていたり、サロメがその膝の上に乗って歌ったり、その足元にヨハナーンの首が(なぜか馬の頭)転がっていたり、袋に入れられた死体が出てくるなど、おどろおどろしく、グロテスクな色彩。グリゴリアンはリトアニアのソプラノで、父親はアルメニア出身で、ワレリー・ゲルギエフが率いるようになったマリインスキー劇場(旧キーロフ・オペラ)の揺籃期を支えた名テノール。

初日:7月28日 … フェルゼンライトシューレ
[演出]ロメオ・カステルッチ
[出演]アスミク・グリゴリアン(サロメ)
    ジョン・ダスザック(ヘロデ王)
    アンナ・マリア・チウリ(ヘロディアス)
    ガボール・ブレッツ(ヨハナーン)
    ユリアン・プレガルディエン(ナラボート)
[指揮]フランツ・ウェルザー=メスト
[演奏]ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

写真:Salzburger Festspiele / Ruth Walz


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    • 井手孝利

    オペラの専門家と違う感想のようですが、
    僕にはダンス無しの舞台で音楽に集中出来、有り難かったです。

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