ルーマニアを代表するテノール歌手コルネリウ・ムルグ(Corneliu Murgu)が4月27日、西部トランシルヴァニア地方のティミショアラで亡くなった。73歳だった。オテロやトゥリドゥといったドラマティックな役で国際的に活躍。2000年から19年間、ティミショアラの国立歌劇場の総監督を務めた。
ティミショアラの生まれで地元で音楽教育を受けた後、イタリアのフィレンツェ音楽院で学び、マルチェロ・デル・モナコに師事。その後、イタリアの声楽コンクールで数々の賞を受けて国際的な活動をスタート、ミラノ・スカラ座をはじめとするイタリア各地の歌劇場に出演を重ねた。
その後、活動の場を広げ、米国ではニューヨークのメトロポリタン歌劇場を筆頭に全米各地で歌っている。ウィーン国立歌劇場には《カヴァレリア・ルスティカーナ》のトゥリドゥでデビュー。2003年に《道化師》のカニオ役を歌って舞台を去るまで77回出演している。また、サントリーホールの公演などで来日している。
1987年にはオテロの歌唱に対して、パルマから「ヴェルディ・メダル」が授与された。引退前の2000年からティミショアラの国立歌劇場の総監督を務め、2001年に「名誉市民」。ブラショフにあるトランシルバニア大学の名誉教授の他、国際的なコンクールの審査員も数多く務めている。
写真:Opera Nationala Romana Timisoara
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訃報 〓 コルネリウ・ムルグ(73)ルーマニアのテノール歌手
2021/04/28
【最終更新日】2023/02/06
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