訃報 〓 アントニーノ・フォリアーニ(50)イタリアの指揮者

2026/08/30

イタリアの指揮者アントニーノ・フォリアーニ(Antonino Fogliani)が8月29日、癌のために亡くなった。50歳だった。昨年6月に癌が見つかった後は、腰に薬剤投与器を装着しながら指揮、この夏も7月にプッチーニ・フェスティバルでプッチーニ《蝶々夫人》を、また、約20年にわたり音楽監督を務めてきたドイツのバート・ヴィルトバートのロッシーニ音楽祭で《なりゆき泥棒》を指揮していた。

イタリア・シチリア島北東部メッシーナの生まれ。ボローニャのマルティーニ音楽院で作曲を学び、ミラノ音楽院のオーケストラ指揮科を卒業。その後、シエナのキジアーナ音楽院に進み、ジャンルイジ・ジェルメッティに指揮を、フランコ・ドナトーニとエンニオ・モリコーネに作曲を学んだ。また、アルベルト・ゼッダにも師事して研鑽を積んだ。

指揮者デビューは2001年で、ペーザロで開かれているロッシーニ・オペラ・フェスティバルで『ランスへの旅』を指揮。その後、イタリア各地の歌劇場で活動。2011年にはヒューストン・グランド・オペラでドニゼッティ《ランメルモールのルチア》を指揮して米国にもデビューした。この年、バート・ヴィルトバートのロッシーニ音楽祭の音楽監督に就任している。また、2017/2018シーズンにはデュッセルドルフのライン・ドイツ・オペラの首席客演指揮者に就任、この6月もヴェルディ《イル・トロヴァトーレ》を指揮していた。

ロッシーニのスペシャリストとして知られ、《オテロ》、《ブルスキーノ氏》、《絹のはしご》、《コロノスのオイディプス》、《バビロニアのチロ》、《チェネレントラ》、《イタリアのトルコ人》、《セミラーミデ》、《アディーナ》など録音多数。また、《ガマッチョの結婚式でのドン・キホーテ》、《山賊》とったメルカダンテの珍しい作品の録音を残している。

演奏活動の傍ら、パレルモのアレッサンドロ・スカルラッティ音楽院ではオーケストラ指揮の指導にも当たっており、この9月にはベルリン・ドイツ・オペラの2026/2027シーズンの幕開け公演のプッチーニ《トスカ》を、バイエルン州立歌劇場では10月にドニゼッティ《ルクレツィア・ボルジア》を、12月には新演出によるドニゼッティ《マリア・ ストゥアルダ》を指揮することになっていた。

写真:Susanne Diesner


関連記事

  1. ローマ発 〓 カウフマンが初のカラフ役、パッパーノと《トゥーランドット》全曲録音へ

  2. ベルガモ発 〓 ドニゼッティ・オペラ・フェスティバルが2022年の公演ラインナップを発表

  3. トリノ発 〓 ジェームズ・コンロンにイタリア共和国功労勲章「コンメンダトーレ」

  4. フィレンツェ発 〓 フィレンツェ歌劇場でもオーケストラがストライキに突入、《椿姫》の最終公演はメータがピアノを指揮

  5. 訃報 〓 オレグ・マイセンベルク(80)ウクライナ出身のピアニスト

  6. トーレ・デル・ラーゴ発 〓 ソプラノのマリア・ホセ・シーリ、セットから転落も最後まで歌い切って大喝采浴びる

  7. 訃報 〓 ウンベルト・ボルソ(95)イタリアのテノール歌手

  8. フィレンツェ発 〓 フレンツェ歌劇場の新しいホール「ズービン・メータ・ホール」がオープン

  9. ノヴァーラ発 〓 再興「グィド・カンテルリ国際指揮者コンクール」で韓国のミンギュウ・ソンが優勝

  10. ヴェローナ発 〓 ヴェローナ音楽祭が2024年の公演ラインナップを発表、ムーティが開幕コンサートを指揮

  11. 訃報 〓 ヴラディミール・ヴァーレク(89)チェコの指揮者

  12. サンターガタ発 〓 イタリア政府が競売危機のヴェルディの旧居を取得、オペラ界は総力あげてチャリティー・キャンペーン

  13. 訃報 〓 リアナ・イサカーゼ(78)ジョージアのヴァイオリニスト

  14. 訃報 〓 アルトゥール・モレイラ・リマ(84)ブラジルのピアニスト

  15. ローマ発 〓 イタリアの劇場は8日まで閉鎖、新型コロナウイルスの感染拡大で

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。