イタリアの指揮者アントニーノ・フォリアーニ(Antonino Fogliani)が8月29日、癌のために亡くなった。50歳だった。昨年6月に癌が見つかった後は、腰に薬剤投与器を装着しながら指揮、この夏も7月にプッチーニ・フェスティバルでプッチーニ《蝶々夫人》を、また、約20年にわたり音楽監督を務めてきたドイツのバート・ヴィルトバートのロッシーニ音楽祭で《なりゆき泥棒》を指揮していた。
イタリア・シチリア島北東部メッシーナの生まれ。ボローニャのマルティーニ音楽院で作曲を学び、ミラノ音楽院のオーケストラ指揮科を卒業。その後、シエナのキジアーナ音楽院に進み、ジャンルイジ・ジェルメッティに指揮を、フランコ・ドナトーニとエンニオ・モリコーネに作曲を学んだ。また、アルベルト・ゼッダにも師事して研鑽を積んだ。
指揮者デビューは2001年で、ペーザロで開かれているロッシーニ・オペラ・フェスティバルで『ランスへの旅』を指揮。その後、イタリア各地の歌劇場で活動。2011年にはヒューストン・グランド・オペラでドニゼッティ《ランメルモールのルチア》を指揮して米国にもデビューした。この年、バート・ヴィルトバートのロッシーニ音楽祭の音楽監督に就任している。また、2017/2018シーズンにはデュッセルドルフのライン・ドイツ・オペラの首席客演指揮者に就任、この6月もヴェルディ《イル・トロヴァトーレ》を指揮していた。
ロッシーニのスペシャリストとして知られ、《オテロ》、《ブルスキーノ氏》、《絹のはしご》、《コロノスのオイディプス》、《バビロニアのチロ》、《チェネレントラ》、《イタリアのトルコ人》、《セミラーミデ》、《アディーナ》など録音多数。また、《ガマッチョの結婚式でのドン・キホーテ》、《山賊》とったメルカダンテの珍しい作品の録音を残している。
演奏活動の傍ら、パレルモのアレッサンドロ・スカルラッティ音楽院ではオーケストラ指揮の指導にも当たっており、この9月にはベルリン・ドイツ・オペラの2026/2027シーズンの幕開け公演のプッチーニ《トスカ》を、バイエルン州立歌劇場では10月にドニゼッティ《ルクレツィア・ボルジア》を、12月には新演出によるドニゼッティ《マリア・ ストゥアルダ》を指揮することになっていた。
写真:Susanne Diesner
訃報 〓 アントニーノ・フォリアーニ(50)イタリアの指揮者
2026/08/30
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