サンフランシスコ発 〓 ブロムシュテット、演奏中にダウン

2026/05/17
【最終更新日】2026/05/18

指揮者界の最長老、98歳のヘルベルト・ブロムシュテット(Herbert Blomstedt)が15日、サンフランシスコ交響楽団でコンサート中に細かい指揮が出来なくなり、演奏が中断するなど混乱した。ブロムシュテットは病院に運ばれて療養中。

ブロムシュテットがこの日指揮していたのは、マーラーの交響曲第9番。サンフランシスコ入りしてから本番までの間も体調が優れず、リハーサルも2回中止して本番に臨んだという。現地の報道をまとめると、本番も車椅子でステージに登場、介助されて指揮台代わりに置かれたピアノ椅子に移るのがやっとだったという。

演奏が始まってからも、後ろに倒れそうな姿勢に終始。右手は拍子の取り方が小さく、聴衆から見ても曖昧な振りで、左手は楽譜をめくるだけ。第3楽章に入ると身体は右に傾き始め、楽章の途中ではベッドに横たわっているかのような姿勢に。さらに途中で楽譜をめくることもできなくなってしまったという。

見かねた副コンサートマスターが演奏を止めて指揮台に駆け寄り、ブロムシュテットの左手をつかんでまっすぐ座らせようとしたという。しかし、それが失敗、数人の男性が舞台に。演奏を中断して肘掛け椅子に座らせようとしたが、それにブロムシュテットが抵抗。それがようやく落ち着くと、ブロムシュテットは「550小節から」と告げて演奏が再開されたという。

ただ、第4楽章に入ると、指揮がさらに乱れ、ホルンと弦楽器が大きな主題の再提示の冒頭を異なるテンポで演奏するなど、オーケストラの統率が取れない状況に。なんとか最後まで演奏されたものの、終わってブロムシュテットは椅子に座ったまま一度カーテンコールに応じるのが精一杯で、その後は車椅子で舞台から退場、そのまま病院に運ばれた。

今回の突然の事態にサンフランシスコ響は、同じプログラムの16日、17日のコンサートにデイヴィッド・ロバートソンを代役に起用して乗り切ったという。オーケストラはブロムシュテットが7月に100歳の誕生日を迎えた後、2027年1月に再び客演すると発表している。

写真:San Francisco Symphony / Stephan Cohen


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