カゼルタ発 〓 ゲルギエフのコンサートを断念、イタリアのカゼルタ宮殿夏音楽祭が内外からの批判浴び

2025/07/23

イタリアの「カゼルタ宮殿夏音楽祭」が7月末、ロシアを代表する指揮者ワレリー・ゲルギエフ(Valery Gergiev)を招いて行う予定だった演奏会をキャンセルした。プーチン政権を支持するゲルギエフの出演に対する内外からの批判を受けて。

ゲルギエフは2022年にウクライナに武力侵攻したプーチン政権の路線を支持。それを受けて欧米各国の音楽界から“追放”された状態が続いており、今回のコンサートが西欧の音楽シーンへの復帰の足がかりになると見られていた。

ところが、そのスケジュールが発表されると、イタリアから選出されている欧州議会の副議長ピナ・ピチェルノ、昨年2月にロシアの刑務所で死亡した反プーチン活動家アレクセイ・ナワリヌイの未亡人らが反対を表明するなど激しい反発が起きていた。

また、ノーベル賞受賞者を含む欧米の知識人700人がコンサートの中止を求める請願書をEU(欧州連合)、イタリア政府に提出。これを受けてイタリア政府は方針を転換、イベントの主催者であるカンパニア州に責任を委ねた結果、キャンセルが決まったという。

指揮する予定だったのは、7月27日のコンサート。サレルノ・フィルハーモニー管弦楽団「ジュゼッペ・ヴェルディ」を指揮、コンサートには自らが総裁を務めるサンクト・ペテルブルクのマリインスキー劇場管弦楽団から数人のメンバーも帯同。ヴェルディのオペラ《運命の力》の序曲、チャイコフスキーの交響曲第5番、ラヴェルの《ボレロ》というプログラムが組まれていた。

写真:Alberto Venzago


  音楽祭プロフィールはこちら ▷


関連記事

  1. 大津発 〓 滋賀県立芸術劇場「びわ湖ホール」のゴールデン・ウィークは「近江の春 – びわ湖クラシック音楽祭」から「びわ湖の春音楽祭」に

  2. ザルツブルク発 〓 モーツァルト週間が2026年に新制作の《魔笛》を上演

  3. フィレンツェ 〓 ダニエレ・ガッティがフィレンツェ歌劇場の音楽監督に

  4. ミラノ発 〓 スカラ座がシーズン開幕ガラ・コンサートのプログラムを発表

  5. ロングボロー・フェスティバル・オペラ 〓 2021年上演の《ワルキューレ》をストリーミング配信

  6. ウォームズリー発 〓 英国の夏のオペラ・フェスティバル、ガーシントン・オペラが2024年夏の公演ラインナップを発表

  7. サンターガタ発 〓 イタリア政府がヴェルディの邸宅を収用

  8. ヴェネツィア発 〓 フェニーチェ劇場が2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表

  9. ローマ発 〓 “パイロット”ハーディングが自分が乗務する便で、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管のメンバーをパリへ

  10. リガ発 〓 リガ・ユールマラ音楽祭が2022年夏の公演ラインナップを発表、マリス・ヤンソンス音楽祭管弦楽団はクラウス・マケラが指揮

  11. 訃報 〓 マルチェッロ・ジョルダーニ(56)イタリアのテノール歌手

  12. ミラノ発 〓 スカラ座が2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表

  13. ロングボロー発 〓 フェスティバル・オペラの新しい音楽監督にクリストファー・ウォード、アンソニー・ニーガスの後任

  14. ザルツブルク発 〓 ザルツブルク音楽祭が2021年夏の公演ラインナップを発表

  15. ライプツィヒ・バッハ音楽祭 〓 ライプツィヒ・バッハ音楽祭の「バッハ・メダル」、2021年は初めて二人の音楽学者に

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。