ニュージーランド出身のバス・バリトン歌手ドナルド・マッキンタイア(Donald McIntyre)が13日、ドイツ・ミュンヘンで亡くなった。91歳だった。1976年、ドイツ・バイロイトのワーグナー音楽祭の100周年を記念して上演された《ニーベルングの指環》でヴォータン役を歌った他、著名な歌劇場に出演を重ねるなど国際的に活躍した。
オークランドの生まれで、長じて英国にわたり、ロンドンのギルドホール音楽演劇学校で学び、1959年にウェールズ・ナショナル・オペラでヴェルディ《ナブッコ》にザッカーリア役で出演して初舞台を踏んだ。その後、1964年にベートーヴェン《フィデリオ》のピサロ役でロイヤル・オペラにデビュー。またこの年、ワーグナー音楽祭にも初めて出演している。
1975年にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場にワーグナー《ラインの黄金》のヴォータン役で初登場し、以後20年間にわたって活躍。1976年のワーグナー音楽祭100周年記念公演は、パトリス・シェローが演出を手掛け、ピエール・ブーレーズが指揮した歴史的な上演で、賛否両論が飛び交うなど大きな話題を集めた。
残された録音は多く、映像には《ニーベルングの指環》以外にヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮のワーグナー《さまよえるオランダ人》、ジェームズ・レヴァイン指揮のリヒャルト・シュトラウス《エレクトラ》や《アラベラ》、チャールズ・マッケラス指揮のワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー》がある。
1977年の新年叙勲で大英帝国勲章オフィサー章(OBE)を、1985年の女王誕生日叙勲で大英帝国勲章コマンダー章(CBE)を受章、1992年の女王誕生日叙勲ではナイト・バチェラーに叙せられている。
写真:alchetron.com
訃報 〓 ドナルド・マッキンタイア(91)ニュージーランド出身のバス・バリトン歌手
2025/11/17
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