ロサンゼルスの大規模火災で、パシフィック・パリセーズにあり作曲家アルノルト・シェーンベルク(1874ー1951)の作品の保存と普及に専念してきた出版社「ベルモント・ミュージック」が焼失したことが解った。一部の原稿やオリジナル・スコア、販売およびレンタル用の資料の全在庫が失われたという。
「ベルモント・ミュージック」は作曲家の息子であるラリー・シェーンバーグが高校の数学教師のかたわら経営を行っていた出版社で、1970年代から、作曲家の先見性のある遺産と現代の演奏家、学者、音楽愛好家との重要な架け橋を務めてきた。
シェーンベルクは20世紀初頭に最も影響力を持った作曲家の一人で、従来の調性を新しい秩序に置き換えることをめざした「12音技法」を開発。ハーモニーや形式に対する従来の手法に挑戦し、それによって現代音楽の流れを生み出した。
しかし、ナチス・ドイツの台頭で1934年に米国に移住。ロサンゼルスを拠点に作曲活動を続け、南カリフォルニア大学(USC)とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で後進の指導に当たるなどして1951年に亡くなっている。
シェーンバーグは「販売およびレンタル用の資料の全在庫を失いましたが、私たちはシェーンベルクの音楽を世界に広めるという使命を継続していく決意です」と声明を出しており、「私たちは、シェーンベルクの音楽が将来の世代にもアクセス可能であることを保証する、新しいデジタル形式でカタログを再構築したいと考えています。このウェブサイトを通じて進捗状況をお知らせしていく」と語っている。
写真:USA TODAY
ロサンゼルス発 〓 大規模火災でシェーンベルクの出版社が焼失
2025/01/13
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