ロンドン発 〓 ピアニストのユジャ・ワンを追ったドキュメンタリー映画『YUJA』が完成

2026/08/20

中国出身のピアニスト、ユジャ・ワン(Yuja Wang=王羽佳)を追ったドキュメンタリー映画『YUJA』が完成、欧米でこの9月に公開されることになった。ローナ・タッカー(Lorna Tucker)監督の新作で、「Sky UK」と「Arte」の共同制作。

映画はワンがどのようにして世界有数のピアニストとなったのかを検証、年間100回を超えるコンサートを行うために必要な極限の献身に焦点を当てたもの。彼女の自己表現の様々な側面に対して、公の場に立つアジア人女性の代表として直面してきた人種差別や性差別を紐解いているという。

映画には指揮者のマイケル・ティルソン・トーマス、ピアニストのエマニュエル・アックス、指揮者のテディ・エイブラムス、そして元マネージャーであるフィリッパ・コールなど、ワンと共演した数多くの音楽家へのインタビュー映像も登場する。

ワンは北京生まれの39歳。父親はパーカッショニスト、母親はダンサーという家庭で育ち、6歳でピアノのレッスンをスタート。北京の中央音楽院を経て、米国のカーティス音楽院に留学、ゲイリー・グラフマンに師事した。2002年にアスペン音楽祭のコンチェルト・コンペティションで優勝、注目を集めた。

2003年には、デイヴィッド・ジンマン指揮のチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団との共演でヨーロッパ・デビュー。2007年3月には、マルタ・アルゲリッチの代役としてシャルル・デュトワ指揮のボストン交響楽団と共演。その成功で一躍注目を集め、2年後の2009年にドイツ・グラモフォン・レーベルと専属契約を結び、これまで世界的な音楽家、オーケストラとの共演を重ねてきた。

監督のタッカーは、15歳で家を飛び出してホームレス生活をおくり、一時はドラッグに溺れた過去を持つことを公表している奇才。路上でスカウトに見初められてモデルの世界に進み、その後、美術大学で学んで映像の世界に飛び込み、ドキュメンタリー映画を手掛けてきたことで知られる。

写真:Cleveland Orchestra / Yevhen Gulenko





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