訃報 〓 ヘルベルト・ブロムシュテット(99)スウェーデンの指揮者

2026/11/05
【最終更新日】2026/11/06

指揮者界の最長老ヘルベルト・ブロムシュテット(Herbert Blomstedt)が11月4日、母国スウェーデンのエーテボリで亡くなった。99歳だった。70年以上にもわたってクラシック音楽界の第一線で活躍してきたが、サンフランシスコ交響楽団を指揮していた5月に体調を崩し、その後は指揮活動を停止して静養していた。

ブロムシュテットは米国スプリングフィールドの生まれ。2歳で両親の祖国スウェーデンに移住。5歳の時にフィンランドに移り、そこで5年ほど過ごして再びスウェーデンに。6歳頃からピアノ、後にヴァイオリンを本格的に学び、ストックホルム音楽大学、ウプサラ大学を経て、ニューヨークのジュリアード音楽院に進み、レナード・バーンスタインらからも薫陶を受けた。

プロの指揮者としてのデビューは1954年、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団を指揮して。その直後、母国のノールショピング交響楽団の首席指揮者に迎えられ、初めてオーケストラにポストを得た。この3月に2012年以来の久々の客演が実現し、名誉指揮者の称号が贈られた。

1962年に退任した後は、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団(1962-1968)、デンマーク放送交響楽団(1967-1977)、スウェーデン放送交響楽団(1977-1982)の首席指揮者を歴任、1975年にはシュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者に就任した(-1985)。初来日は1973年、そのシュターツカペレ・ドレスデンの日本公演の同行指揮者としてだった。

日本との縁も深く、1981年11月に初めてNHK交響楽団を指揮、それから40年以上にわたって200回を超えるコンサートで共演を重ね、昨年10月の客演が最後の来日となった。オーケストラからは1986年に名誉指揮者、2016年に桂冠名誉指揮者の称号を贈られている。また、2018年春の叙勲で旭日中綬章を受章している他、2026年には「高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞した。

ドレスデンの後はサンフランシスコ交響楽団の音楽監督(1985-1995)、北ドイツ放送交響楽団の首席指揮者(1995-1998)、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席指揮者(1998-2005)を歴任してきた。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団への客演は1976年と早かったが、ウィーン・フィルに初めて客演したのは2011年1月26日と遅く、それもモーツァルト週間でニコラウス・アーノンクールの代役だった。しかし、その後の客演を経て、2019年にオーケストラから名誉会員の称号が贈られている。

古典派からロマン派まで音楽の構造を端正に浮き上がらせながら、オーケストラから自発性を引き出して生き生きとした表現を紡ぎ出すことで多くの聴衆を魅了してきた。熱心なキリスト教アドベンチスト派の信者で、禁酒禁煙というストイックな生活を続けていたことで知られる。

写真:Berliner Philharmoniker / Monika Rittershaus

















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