誕生日の10月15日をはさみ、20世紀にバッハ演奏を広く定着させた指揮者・オルガン奏者カール・リヒター(Karl Richter)の生誕100年を記念して、かつて活動の拠点としたミュンヘンの聖マルコ教会で「バッハ記念週間」が開催されることになった。期間中にテルツ少年合唱団との記念コンサートなどが行われる他、修復された教会のシュタインマイヤー・オルガンの演奏台に記念の銘板が設置されるという。
リヒターはザクセン州プラウエンの生まれ。福音派の牧師の第4子として生まれ、11歳だった1937年、ドレスデン聖十字架教会付属学校に入り、聖歌隊のメンバーとなって最初の音楽教育を受けた。父親が亡くなった後、一家はフライベルクに移り住み、そこでバロック様式のジルバーマン・オルガンで練習を重ねたが、第二次大戦末期の2年間は国家労働奉仕団に召集された。
戦後になってライプツィヒ音楽院に進み、1949年にはライプツィヒの聖トーマス教会のオルガニストとなったが、試用期間終了後に職を追われることに。1951年に東ドイツを離れ、後に妻となる女性とスイスへまず移り、ミュンヘンの聖マルコ教会のカントルの職を得て、ミュンヘン国立音楽大学のオルガンとルター派教会音楽の講師に迎えられた。
その後、戦後設立された合唱団”ハインリヒ・シュッツ・クライス”の指揮を任され、これをミュンヘン・バッハ合唱団と改称。1953年にはミュンヘン・バッハ管弦楽団を設立した。その後はオーケストラ、合唱団を率いて、バッハ演奏の第一人者として一世を風靡した。
54歳だった1981年2月に心不全で急逝するまで、バッハの主要作品約60の録音をリリース、戦後の復興期で音楽に飢えていた時代も手伝い、その多くがベストセラーを記録した。彼らの演奏によるバッハのブランデンブルク協奏曲第2番の録音は、1977年から米国のボイジャー探査機に搭載されて宇宙を旅している。
写真:Hansjörg Albrecht
ミュンヘン発 〓 カール・リヒターの生誕100年を記念、活動の拠点とした聖マルコ教会で「バッハ記念週間」
2026/10/11
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