訃報 〓 モーリーン・ジョーンズ(99)オーストラリアのピアニスト

2026/09/22

オーストラリア出身のピアニスト、モーリーン・ジョーンズ(Maureen Jones)がスイスのルガーノで99歳で亡くなったと欧米のメディアが報じている。若くしてピアノ演奏のオーストラリアでの普及に尽力、拠点をヨーロッパに移した後は主要オーケストラと共演を重ねた。ヴァイオリンのブレントン・ラングバイン、ホルンのバリー・タックウェルという同じオーストラリア出身の名手とトリオを組むなど、室内楽の演奏でも活躍した。

幼少期をシドニーのアッパー・ノース・ショアで過ごし、当時の音楽院の院長エドガー・ベイントンの招きでニュー・サウスウェールズ州立音楽院に通い、10歳の時にシドニー交響楽団とベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番を演奏してプロのソリストとしてデビューした。卒業後、リチャード・ゴールドナーに招かれて設立されたばかりの音楽普及団体「ムジカ・ヴィヴァ」に加入、若くしてオーストラリアでの室内楽の普及に尽力した。

その後、ロンドンを経て、ラングバインがいるスイスに移り、1952年に二人でデュオを結成、スイスやイタリア中心に精力的に演奏活動を展開した。そこにタックウェルが加わってホルン・トリオが生まれ、多くの名演、録音を残した。室内楽では、トリオ・ディ・トリエステのピアニストで最初の夫でもあったダリオ・デ・ローザとの連弾、アマデウス弦楽四重奏団などとの共演などを重ねた。

デ・ローザとの結婚を機にトリエステに移り住み、その別離後は、トリオ・ディ・トリエステのチェリストだったアマデオ・バルドヴィーノと再婚。ソリストとしては、ロンドン交響楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団など、ヨーロッパの著名オーケストラと共演を重ね、エディンバラ国際フェスティバルなどに出演した。

1979年にはヴァイオリンのピーナ・カルミレッリらとフォーレ五重奏団を創設。その後、フィレンツェのフィエーゾレ音楽院で長く教鞭を執り、その後はルガーノに居を移している。2017年には90歳の誕生日を記念してトリエステでピアニストのマッシミリアーノ・バッジョとのデュオ・コンサートを行って元気なところを見せていた。イタリア共和国功労勲章など受章多数。

写真:Scuola di Musica di Fiesole ETS


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