サンフランシスコ 〓 新シーズンの開幕公演が中止に、サンフランシスコ・オペラのオーケストラの楽団員がストライキに突入

2026/09/14

サンフランシスコ・オペラ(San Francisco Opera)のオーケストラの楽団員が9月12日、ストライキに突入した。新シーズンの開幕公演だったヴェルディ《シモン・ボッカネグラ》の上演は開演の35分前に中止が発表され、13日の野外コンサート「オペラ・イン・ザ・パーク」も中止された。次回の公演は16日。

新たな労働協約をめぐる交渉は、7月31日の期限切れに向けて5月からスタート。現地の報道をまとめると、経営側は構造的な赤字が年間1,500万ドル生じていると試算、過去20年間にわたって支出の伸びが収入の伸びを上回っており、チケット販売や寄付金が増加傾向にあっても、コスト削減の必要性は解消されないと主張、26%の賃金カットを求めていた。

経営側の説明では、一般の楽団員の基本報酬は1シーズンあたり約11万8,000ドル(約1,820万円)。勤続年数や役職に応じて追加報酬を支払っており、過去20年間にわたって楽団員には24週間の勤務と4週間の休暇を保証してきたとしている。

そうした経営側の説明に組合側が反発すると、経営側は賃金カットの幅を20%に変更したが、組合側は8月27日にストライキを通告していた。さらに最終段階で経営側は、保証される勤務週数を段階的に減らす一方で、報酬単価を引き上げ、シーズン全体の総収入は維持される賃金体系に転換し、今後5年間の収入を現在の水準を維持するというプランを提示した。

しかし、組合側は今後5年間の収入を現在の水準に据え置くことは、過去最高水準にあるサンフランシスコの住宅費、物価の高騰の中では実質的な賃下げであると反発、ストライキを回避出来なかった。サンフランシスコ・オペラでは1990年、楽団員のストライキで新シーズンの開幕が流れたが、この時は経営陣がロックアウトを宣言、劇場が閉鎖されている。

地元の有力紙『サンフランシスコ・クロニクル』は12日付けで、2人の楽団員の証言として、音楽監督ウンソン・キムが10日のリハーサルの時にストライキが決行された場合には辞任する覚悟があると述べたと報じており、状況が緊迫している。

写真:San Francisco Opera / San Francisco Chronicle


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