スペイン出身のヴァイオリニスト、フェリックス・アーヨ(Felix Ayo)が24日、ローマで亡くなった。90歳だった。イタリアの室内合奏団「イ・ムジチ」の創設に加わって初代コンサートマスターを務め、合奏団によるヴィヴァルディの《四季》の録音は世界的なブームを巻き起こした。
1933年、スペイン北部バスク地方セスタオの生まれ。ビルバオ音楽院でヴァイオリンを学んだ後、パリ、シエナ、ローマで研鑽を積む。1952年、18歳でイタリアのバロック音楽をレパートリーの中心に据えた室内合奏団「イ・ムジチ」の創設に参加、1967年までコンサートマスターを務めた。
合奏団が世界で初めて《四季》を録音したのは1955年で、さらに1959年に再録音。これが国際的なレコード賞を総なめにするセンセーショナルな成功を収め、単独のアルバムとして950万枚以上のベスト・セラーを記録。また、20世紀後半のバロック音楽ブームの火付け役ともなった。
1970年には、カルロ・ブルーノ(ピアノ)、アルフォンソ・ゲディン(ヴィオラ)、ヴィンチェンツォ・アルトベッリ(チェロ)とローマ・ベートーヴェン四重奏団を結成。1972年からは母校でもあるローマのサンタ・チェチーリア音楽院のヴァイオリン科の教授を務め、世界各地でマスタークラスを開催するなど後進の指導にも尽力している。
写真:Felix Ayo Official Website
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